勝手に

泣いて、笑って、母でよかった

保育・教職従事者、看護・医療従事者は必読。子育て進行中はもとより、経験者、潜在経験者も要読。すなわち全ての人、とりわけ「ディスレクシアって何?」という向きには「是非、読んでください」とお願いしたい。...

ブレイズメス1990

「旅の友」を携える絶対条件は「かさばらない」「重くない」ではあるが、残念ながら本作は文庫には落ちていない。にもかかわらず「カトマンズ」のホテルで読み終えたのは、さほどのボリュームではないのでよしとし...

ブラックペアン1988(上下)

いやー、読み出してすぐに嬉しくなる。 一連の海堂作品、すなわちバチスタ、田口&白鳥シリーズ及びその周辺の時系列からいうと、そうとう時は遡る。なにせ高階がペーペーの外科医で、グッチー田口やジェネラル速...

螺鈿迷宮(上下)

たった今から海堂作品を読み始めるとして、「おびただしい作品群をどの順に読み進めるか」については口角泡の物議をよそに「どうでもいいじゃん」とあえて言っておく。時系列を外して読んだとして、たとえ時に「え...

陋巷に在り(1〜13巻)

少々の覚悟を以って読み始められたし。 何しろ13巻もある。その上、第1巻「儒」の巻はかなり手こずる。ルビがなければ到底読めない恐ろしく画数の多い漢字が続出する。「あれなんて読むんだっけ」などと読み...

ひかりの剣

例えば暇つぶしに入った書店でただ表題に惹かれて求めた。積んだまま忘れていたのをたまたま長旅の友に携えた。 ことのほか面白ければ、同著者の他作品が読みたくなるのは人情で、そうなると著者紹介やら推薦文...

エグザイルス

「若いころはヤンチャだったんだ」「ぶっ飛んで時代の先端、行ってたな」 ってな向きの団塊の世代は特に読まれたし。昭和20年代生まれの著者が時代の世相と若者の文化、両者の相関関係を余すところなく語る。 ...

残された山靴―佐瀬稔遺稿集

世界の山岳史に名を残す日本人アルピニストたちが遺した登山靴。それらは大概は、はいていた当人にしかはきこなせないものに違いない。 幾度目かのアルプスやヒマラヤ山行で凍傷を負い、辛くも命からがら下山。...

狼は帰らず―アルピニスト・森田勝の生と死

顛末が表題で示されている。わかっていて読み進めるのは結構つらい。 同著者作の「虚空の登攀者」に登場する長谷川恒男の10年先輩になるアルピニスト・森田 勝を描いたノンフィクション・ルポルタージュ。 ...

長谷川恒男 虚空の登攀者

読み進めながら、何度、鼻の奥がツンとしたことだろう。 電車中で人目もはばからず涙を流したりもする。 昭和22年生まれの、日本山岳史に燦然と名を残したアルピニスト・クライマーの生涯を追ったドキュメン...

時が滲む朝

帯に「天安門事件前夜から北京五輪前夜まで〜中国民主化勢力の青春と挫折」とある。 中国の民主化運動の終点ともいうべき天安門事件。主体となって動いた学生たち。 1960年代から70年代に日本が経験した...

国家と犯罪

船戸作品の読者なら「国家と犯罪」と聞けばピンとくるはず。 国家が犯罪をどう取り締まるか、という話しでは全くなく、社会状況に於ける犯罪傾向の分析などでも全くない。 冒頭、著者自らの弁のとおり「国家に対...

金門島流離譚

およそ1国を現在に至らしめている「歴史」、しかも他国の歴史をどれくらいの人間が紐解くだろう。自国の歴史でさえ、危ういというのに。 ましてや、大っぴらに口外されることのない、いうところの裏の歴史とも...

伝説なき地(上下)

ああ、どうしょうもない、どうしょうもない! なんと人間存在の絶望的なることか!! 船戸作品を読み積むほどに、相対的な人間性善説の無力なるを思い知る。 動物学上では、ネコもトラもライオンもピューマも...

新宿・夏の死

まあ、文庫本なのにかさばること! 夏の、しかも新宿を舞台の今の今を描いた8編が編まれた中篇集。 当然、新宿名物?のおかまのねえさんから、ホームレス、ヤクザ屋さんまで種種、登場し、家出娘捜索、リス...

剣岳 -点の記-

本作を百倍楽しむ法のひとつが「剱岳に登ってみよ!」であることは間違いないだろう。実際に足で取材した著者の表現がひとつひとつ、実際の山容を彷彿させる。 でなければ、2009年の夏公開される同名の映画...

猛き箱舟(上下)

「虹の谷の五月」「砂のクロニクル」「神話の果て」「緋色の時代」「流沙の塔」…そして「猛き箱船」。 著者の著作年譜など意識もせず、なんとなくパラパラめくって中東、東欧および中央アジア近...

東京物語

平成元年に30歳を迎えた層。すなわち団塊の世代のひと世代あとに該当する向きには、読み出せば、たちまちに懐かしさにつまされよう。 18、19歳で地方から上京、なんてことならなおさら、いちいちうなづいて...

空中ブランコ

出たよ、出たよ。待望の「伊良部先生シリーズ」第2弾! Book1stの店頭で偶然みつけた時は、小躍りして喜んじゃったけど、見事に期待に沿った、これはもう傑作! 平成15年から16年の年頭までにオ...

ダーク

何といっても桐野作品に登場する「男前」な、ツオイ女にはほれぼれする。だから、どうしても女探偵「村野ミロ」シリーズには胸のすく痛快感を期待してしまう。 が… どうしたことか、読み始め...