勝手に読書録
「最先端医療ミステリー」とは帯にあるが、いい意味で若干違和感を覚えたりする。最先端といえば、そうには違いない。現時点における医の最先端の延長線上にはあるといえないこともないが、延長距離は見かけよりは遥...
海堂街道? を烈風の如くひた走っておりまする。さて本作は時系列からいうと、バチスタ完結シリーズの華麗なる崩壊三部作「螺鈿迷宮」、「ケルベロスの肖像」、「輝天炎上」からは幾ばくか遡上することになる。だい...
ちょっと待ったあッ!「ケルベロスの肖像」を未読の向きは、是が非でもそちらから先になさるが得策。というか…海堂作品未経験者ならば、相当アドバンス編なので著作時系列を追われたほうが賢明かと。...
これは一大事!本書の帯に「バチスタシリーズ、ついに完結!」とあるではないか!ま、ま、まさかッ!「バチスタシリーズ、永遠なれ!」と思う絶大なファンならずとも、衝撃のあまり、ページをめくる手が震える。面白...
最近、夫に「本当“テツコ”に磨きがかかったよね」とよく言われる。当たり前だが夫の言う“テツコ”とは、クロヤナギではなく“鉄子=鉄道好き女子&...
『エンキョリレンアイ 』、『レンアイケッコン 』、『サンカクカンケイ 』の"恋愛三部作"が大ヒットを遂げ、恋愛小説の旗手として名高い小手鞠るい。無類の猫好きとも知られ、猫に関する...
本著は残念がら既に絶版になっている。とあるアマゾンのとあるマーケットプレイスで、幾冊か求められるに過ぎない。併記の『増補新版……』を薦めたほうがあるいは正解なのかもしれな...
私事で恐縮ながら、自分が書いた原稿が初めて雑誌に掲載されてから今年(2013年)の11月で18年になる。今年36歳の私としては、生まれて半分をライターや編集者として活動してきた…&hel...
休日に目が覚めたとき、ふと「旅へ出たいな」と思ったとする。この瞬間から、「出たいな」だけでない様々な思いもまた同時にやってくる。たとえば「行っても込んでるのではないか」、「明日は月曜日だから仕事だ」、...
アルピニスト竹内洋岳氏といえば、2012年5月26日にヒマラヤ・ダウラギリ8167mに登頂。世界で19人目、日本人初の8000m14座完全登頂を達成し、国内外で大きく報道され、人々の感動と称賛を集めた...
いま――まさにいま。ひとつの名店が、その幕を下ろそうとしている。渋谷“飲んべえ横丁”の「鳥重」。戦後の屋台で創業し、彼の地に店舗を構えてから60余年。多くのお客に愛された焼鳥屋...
今回はわりと新人な子育てパパ・ママにおすすめの1冊。 この数年、本当にあちこちで赤ちゃん誕生のニュースをよく耳にする。特に最近は芸能界もママさんだらけだ。そんなご時世だからこそ、書店の女性誌コーナ...
誰にでも、これまで読んだ本の中で「忘れ得ないフレーズ」というものがあるだろう。それはもちろん「トンネルを抜けると、そこは雪国だった」(川端康成『雪国』)、「吾輩は猫である、名前はまだない」(夏目漱石『...
一編の小説が映像化される――それは、読み手の側からすると少しばかり、いや、けっこうなざわめきを心に覚える。自分の頭の中で具現化した主人公が、自分が思い描く風景の中で行動し、そして喋る。これは小説を読む...
私は「とまこ」という人を“見、損なっていた”のだろうか。送られてくる『おしゃれパッカーとまこの世界を行く』の原稿の内容然り、それに添えられてくる「かき氷食べたいです、三つほど」...
穂高・槍の縦走から降りて帰ったら、家に『岳』の18巻が届いていた。お行儀がよろしくないが、さっそく筋肉痛の脚を机にほりあげて読み始めた。10ページほど進んだところで、電話が鳴ったり、食事だのなんだので...
まず本書を開いたとき、字の大きさや漢字のふりがな付けの多さに気が付く。その後、裏表紙を見てみると「小学上級から」とのタグもあった。そう、この本は小学生など小さなお子さんに向けられた、これから歩んでいく...
またまた今回も絵本の紹介になってしまった……が、今回は今まで紹介した絵本とはまったく違う。ぜひ大人におすすめしたい1冊だ。愚問かもしれないが、映画「スターウォーズ」シリーズ...
『陰陽師 』シリーズの著者であり、柴田錬三郎賞を受賞(98年)した『神々の山嶺 』など山にも造詣が深く、そして格闘技ファンでもあり、鮎の解禁日にはいそいそと竿を担いで出かけていく、漫画についても番組...
Paris――。 古くて新しいこの街には、人をひきつけてやまない何かがある。 写真家・榎並悦子も、その魅力にとりつかれたひとりのようだ。 ときに憧憬のまなざしで、ときに挑むようなまなざしで、 そして...