シネマピア
死とは、人生の終わりだ。その死をテーマに扱う映画とくれば、当然、重く暗く、観終わったあとにどっぷりと沈んでしまいそうな作品かと想像してしまう。だが本作はそんな先入観を見事に裏切る、心温まるヒューマンド...
夏の空の青さというものは、他の季節のそれよりも一段と濃く、そして深く感じる。どこまでもどこまでも高く、遠く、空の上にある別世界は目を向ける者の心をも飲み込んでいく。その空を舞台に、圧倒的な映像力で「...
宮崎アニメには大概、地球上には存在しない動物や、人間と動物との中間のような生き物が登場します。『風の谷のナウシカ』では巨大な虫の王蟲(オーム)、『となりのトトロ』では妖怪のようなトトロ、『紅の豚』で...
●直球勝負、正しいチャンバラ映画 スマッシュヒットとなった「寝ずの番」に続くマキノ雅彦(=津川雅彦)監督2作目の映画は、何と叔父のマキノ雅弘監督十八番の「次郎長モノ」。オールドファンには懐かしいあ...
わらしべ長者ならぬ、逆わらしべ長者とも言える傑作だ。 短大卒業後、就職もできずフリーター暮らしの主人公(蒼井優)。ある事件をきっかけに貯金が百万円になるごとに誰も知らない土地へ移り住むことにする彼...
すでに雑誌やTVスポット、Webなどで露出しているのでご存知の方も多いと思う、宇宙から来た「使えねー」生命体「ナナちゃん」。この「ナナちゃん」があんまり大活躍しない(笑)チャウ・シンチーの新作が『ミラ...
タイトルの“クライマーズ・ハイ”とは、登山時に興奮状態が極限まで達し、恐怖感が麻痺してしまう状態を指す言葉だ。 1985年8月12日、日航機墜落事故発生。乗客乗員524名...
年老いてもなお、愛し愛され続ける夫婦。アルツハイマーに犯され、好きだという気持ちさえわからなくなってしまっても…それでもその愛の形を続けることはできるのか。そんな相手を、許すことができ...
大なり小なり、誰もが何かに依存しながら生きている。富も名声も手に入れ、何一つ不満などないはずの人生だとしても、だ。だが逆に頂点に鎮座している人間は、その位置からの転落を恐れる心を潜在的に持っているから...
トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ、フィリップ・シーモア・ホフマン。ハリウッドきっての名優たちが贈るのは、この上なく素晴らしい「奇蹟」の物語…それも、実話を基にした胸躍るような物語だ。 ...
バツイチ中年の、冴えないオッサン磯辺裕次郎(宮迫博之)は、一人娘の咲子(仲里依紗)と団地でショボく暮らす日々。そんな彼にある日多額の遺産が転がり込む。大金を手にした裕次郎は、唐突に「喫茶店をはじめる」...
先に公開されたアメリカでは衝撃のラストをめぐって論争が巻き起こるなど、“衝撃”という言葉がこれほどまでに的を射ている映画もそうそうない。宣伝文句どおりの作品である。それもそのは...
社会派作品というものは多々ある。が、大概の場合それらは、シリアスなテイストで描き出されるものが大半だ。扱っているテーマがテーマなのだから、当然といえば当然であろう。だが本作は、そういった一般的な傾向と...
本作の原題は「Lions for Lambs」…“羊に率いられたライオン”である。現場を知らない愚鈍なホワイトカラーが、叡智に長け、泥にまみれて必死で戦う勇敢な兵...
大概、芸術家というものは神経質であろう。取るに足らない小さなことに一喜一憂する繊細な神経を持っているからこそ、些細な事象の中に“心を動かす何か”を発見できるのだ。そんな芸術家...
流石さすがの映画力、である。是非とも劇場でご覧いただきたい傑作だ。 本作の原題は『MICHAEL CLAYTON(マイケル・クレイトン)』。ジョージ・クルーニー演じる主人公の役名だ。マイケルの仕事は...
ブロードバンドの普及率に伴い、誰しもが気軽にインターネットを楽しめる時代となった。当サイトを今ご覧頂いているということは、今まさに読者であるあなたがインターネットを利用しているということでもある。テ...
まるで一冊の写真集をめくるかのように、息を飲むほどの映像美が繰り広げられていく。そして、その映像が持つ心の声を代弁するかのようにスクリーンを包み込む、繊細かつ豊潤な楽曲群。ストーリーの陰鬱さや悲しみが...
20年の長きに渡ってアメリカの機密情報をロシア圏に流し続けてきた二重スパイ。彼が売った情報の被害額は10億ドルを超え、KGBに送りこんだアメリカ側のスパイの名前も明かしたことから、50人もの同胞が命を...
鬼才、ブライアン・デ・パルマ監督の『悪魔のシスター』。本作はこの歴史的傑作を原案に、ニューヨーク育ちの新進気鋭監督、ダグラス・バックによってストーリーやキャラクター設定を刷新され、新たな作品として作り...