旭湯 –時にはモモンガのように–

デジタルってのは良し悪しだなちくしょうめ。 今回紹介するはずだった銭湯の画像を、デジタルカメラからパソコンに取り込んでいる最中、操作を誤ってそっくりそのまま消去してしまったのだ。 一瞬にしておじ...

vol.47:塩田朝康カフェのようにバーを定着させたい

五反田駅周辺には、オーセンティックなバーがほとんどない。徒歩10分圏内でも2〜3件というところだ。そんな中、駅から徒歩2分という近さで、「樽の水」の看板を見つけ、試しにと即入ってみた。これが、オ...

vol.12 小林達史

【小林達史さんに7つの質問】 Q1:絵を描き始めたのはいつ頃から? 母が絵描きで、絵画教室もやっていたので、物心がついたときには落書き程度にいつも絵を描いていましたね。小学生のときも、昼休みにクラス...

ブラインドネス

誰も見ていないところでも、我々人間は良識を保つことができるだろうか。そうに決まっている…自身が良識あふれる人間だと自覚している人は言うかもしれない。だが、本当にそうだろうか? 自分の身に...

残された山靴―佐瀬稔遺稿集

世界の山岳史に名を残す日本人アルピニストたちが遺した登山靴。それらは大概は、はいていた当人にしかはきこなせないものに違いない。 幾度目かのアルプスやヒマラヤ山行で凍傷を負い、辛くも命からがら下山。...

彼が二度愛したS

大人による、大人のための、大人だけの極上ミステリー。『X-MEN』シリーズのヒュー・ジャックマンが、初プロデュース作にして絶品のラブ・サスペンスを生み出した。 世界を動かす街、ニューヨーク。仕事場と家...

時間差で気付いた初恋

彼のあだ名は「ハカセ」。飄々とした雰囲気と、理科実験部に所属していたのが出所と思われる。別にカッコいい部類の男子ではなかった。中学1年男子の中では背も低いほうだったし、スポーツも人並み。勉強はといえば...

Genius Party BEYOND

●才能の放し飼い、暴走するアニメーション 2008年の夏は、2本の大きな、メジャーな、外国の映画祭にも出展されたアニメーション映画が公開されたことで「記録」される年になるだろう。もちろんそれは、宮崎...

七夜待

浮遊感と通じない言葉。空気を感じる不思議な映画。 カンヌ国際映画祭でカメラドール受賞の劇場映画デビュー作「萌えの朱雀」や、2007年のカンヌ映画祭グランプリ受賞の「殯の森」他、TVCFなどで知られる...

狼は帰らず―アルピニスト・森田勝の生と死

顛末が表題で示されている。わかっていて読み進めるのは結構つらい。 同著者作の「虚空の登攀者」に登場する長谷川恒男の10年先輩になるアルピニスト・森田 勝を描いたノンフィクション・ルポルタージュ。 ...

ヤング@ハート

誰にでも老いはやってくる。そして死も。ともすれば忌み嫌ってしまうそれらと闘うのではなく、逆にそれらを抱きしめ、楽しんでしまおうというのが本作に登場する老人コーラス隊メンバーたちの生き方である。 ア...

vol.46:古今亭志ん輔垢は落として、苔を生やす

インタビューに先がけ、上野の鈴本演芸場に、古今亭志ん輔さんが出演する寄席を観に行った。筆者としては、初の寄席体験。それどころか、落語をちゃんと聴くのも初めてといってもいいくらいだったから、「退屈...

イエスタデイズ

誰にでも多かれ少なかれ、親子の葛藤というものはあるだろう。その葛藤をいかに克服していくか? 青春期が抱えるそんな苦悩を、切なくも美しいストーリーとファンタジーで包み込み、そして“許してくれ...

長谷川恒男 虚空の登攀者

読み進めながら、何度、鼻の奥がツンとしたことだろう。 電車中で人目もはばからず涙を流したりもする。 昭和22年生まれの、日本山岳史に燦然と名を残したアルピニスト・クライマーの生涯を追ったドキュメン...

時が滲む朝

帯に「天安門事件前夜から北京五輪前夜まで〜中国民主化勢力の青春と挫折」とある。 中国の民主化運動の終点ともいうべき天安門事件。主体となって動いた学生たち。 1960年代から70年代に日本が経験した...

国家と犯罪

船戸作品の読者なら「国家と犯罪」と聞けばピンとくるはず。 国家が犯罪をどう取り締まるか、という話しでは全くなく、社会状況に於ける犯罪傾向の分析などでも全くない。 冒頭、著者自らの弁のとおり「国家に対...

天国はまだ遠く

〜緩く過ごす。すべてを赦す。ステキな掌編映画〜 なによりもタイトルの語感が美しい。 印象に残る映画というのは、邦画であれ洋画であれタイトルがイイものが多い。解りやすくシンプルで力強い。 そういう点...

センター・オブ・ジ・アース

SF小説の名作、ジュール・ヴェルヌの『地底旅行』で描かれた世界を、3Dという脅威の映像で生々しくリアルに追体験させてくれるのが本作だ。 アイスランドで地質学の調査を行っていた科学者と甥っ...

一葉泉 –ゴールを目指して–

予定のない日曜日に、自転車で小旅行に出ることにした。行き先は特に決めていない。快晴の下、気分に任せてただひたすら自転車を走らせるだけだ。 もの書きなどという不健康な仕事をしていると、どうにも運動不足...

ICHI

折りしも男女平等が叫ばれ、“女性の時代”とも呼ばれている昨今。強い英雄が男性ではなく女性だったとしても、さして違和感はない。 勝新太郎のテレビシリーズが戦後のお茶の間に活力...