いい映画というものは、特別に凝ったシチュエーションでなくても、派手なアクションなどなくても、多少ストーリー展開に無理があっても、たとえわかりにくい脚本であっても、荒削りで強引な演出であっても、役者の...
9月11日のアメリカ同時多発テロ事件において、唯一目的地に到達しなかった旅客機、ユナイテッド93便。飛行ルートからはキャンプ・デービッドかホワイトハウスへ向かおうとしていたことが推測されるが、機はペン...
ドキュメントタッチの映画が観る者の胸をここまで熱くする理由というのは何であろう。『WATARIDORI』然り、『ディープブルー』然り。圧倒的なまでの自然のありのままの姿に、我々の無意識が反応するのだ...
小さな港町に住むワンパクな少年は、毎日わがもの顔で町中を騒がしていた。そんなある日、少年はトラックと衝突する大事故に見舞われる。すんでのところで九死に一生を得た少年には、幽霊が見える不思議な力が備わっ...
お馴染み、西田敏行が演じる万年平社員のハマちゃんも健在だ。ろくに仕事もしないのに会社に在籍していられるなんて、まさにサラリーマンの星(?)。 …と思っていたら、ハマちゃんの会社の上司であ...
昨今の映画作品はネタ切れっつーか、コミックや小説を原作とするものや、旧作のリメイクがなんか多いような気がする。いや、気がするんじゃなくて、たぶん多いのだと思う。まあ、それが「悪い」というのではアリマ...
「赤ずきんが仕掛けるオオカミへのゲーム」---出会い系サイトで、14歳の少女が32歳の売れっ子フォトグラファーと出会うことから始まる本作。純朴で天真爛漫そうに見える少女は、オオカミの餌を見事に演じきる...
「心を何にたとえよう」---印象的なフレーズだ。主題歌を歌う手嶌葵の歌声は、まるで私たちの心の穢れを取り払うかのように染み渡る。 均衡が壊れつつある世界、アースシーを旅する大賢人ハイタカ(ゲド)は、「...
なかなか、自分自身のことは自分ではわからないものだ。当たり前だと思っていたことが、他の人からみたら奇妙なことだったりすることはよくある。大きな鏡がなければ全身が見えないように、外側から自分の姿を客観的...
主演の渋谷飛鳥のバースデーイベントでケーキをプレゼントした楳図だが、トレードマークの“グワシ”を手に、かけ声も「おめでとうグワシま〜す!」と底抜けに明るい。イベント中のトークで...
『ハチミツとクローバー』、略して『ハチクロ』。コミックから端を発した大人気作品の快進撃は、テレビアニメに、そして実写映画にと、とどまるところを知らない。 「自分の好きな人が自分のことを一番好きになって...
ある土曜日のお昼、レストランでシャンソンコンサートが開かれている。飯田みどりさんが舞台に上がった。ピアノの調べに体をゆだね、みどりさんはひと呼吸して歌い始めた。 曲は「待って」。ピタリ、恋の歌である。...
ギリアム版『不思議の国のアリス』が誕生---。映画界の鬼才、テリー・ギリアム監督の新作である。前作の『ブラザーズ・グリム』、そして今回は『不思議の国のアリス』がモチーフということは、大人も子どもも皆...
大粒の涙が、何度頬を伝っただろう。なめてかかっていた。子どもが主人公のアニメだし、RPG仕立てらしいし、軽い作品なのだろう、と。 予想は見事に裏切られた。状況設定がいちいち現実的すぎる。主人公は11歳...
ジャパニーズ・ホラーが、今度はゲームの世界から快進撃だ。本作は日本のゲームメーカー、コナミの大ヒットゲームの映画化作品である。 全世界で530万本以上を売り上げたこのゲームの映画化権には、ハリウ...
通常、マスコミ試写というのは開演の30分前に会場入りすれば、余裕綽々で好きな席に座ることができる。だが、本作は事前に映画会社から案内を受けた。30分前でも満席になる可能性があるので、もっと前に来て欲し...
「その結婚、あなたを輝かせてくれますか?」「その“理想”、捨てる勇気ありますか? 幸せ探しをする全ての女性たちへ贈る、この夏一番の感動作」---とのコピーには、思わず反応せず...
33年前、日本映画史に残る大ヒットを記録したパニック映画、『日本沈没』。小松左京原作によるこの作品が、現代に甦った。 どんなジャンルの映画でも、肝心なのは“いかに人間を描くか&rdquo...
多くの日本人の心を魅了してやまない不朽の名作アニメーション、『アルプスの少女ハイジ』。「教えて〜、おじいさん〜」の歌や、「クララが立った!」の台詞で親しまれたあの感動作が、本作をもって実写版となった...
映画の興行成績を決める重要な役割のひとつに、“プロモーター”という存在がある。文字通り、プロモーション=宣伝を行う人たちである。この映画『タイヨウのうた』では、ひと味ちがったプ...