県外から福井に来て驚いたこと。
それは冬に水ようかんを食べること! しかも形が四角〜!?
普通、水ようかんといえば丸いカップに入ったものを冷蔵庫で冷やし、夏に食べるイメージがありませんか?
でも福井では冬に食べる習慣になっていて、「こたつでミカン」さながら「こたつで水ようかん」。
寒い日に暖かくした部屋で食べる一切れは格別のおいしさで、年越しにも欠かせないアイテムです。
冬に食べるようになった由来には諸説あるそうですが、丁稚羊羹の流れをくむといわれます。いわゆる昭和の丁稚さんが奉公先から里帰りの際…つまりお正月に食べたんですね。
また、雪国である福井県は寒さが厳しく、冬の間はどうしても家の中に閉じこもりがちになります。
考えることといえば暖かい部屋の中でいかに快適にすごすか、ということ。暖まって乾いた喉には、ひんやりとした水ようかんが最適だったのかもしれません。
気の合う仲間や家族とおしゃべりをしたり、テレビを見たり、トランプをしたり。
そういった空間の中で、水ようかんは福井の冬のお菓子として定着していったのでしょう。
福井には水ようかんを扱う菓子店が多くありますが、B5サイズくらいの平たい紙の箱に水ようかんを流し固めたスタイルで統一されています。
形は四角で、予め入った切れ目に沿ってへらでお皿に取り分けます。普通の水ようかんがカップに入った個タイプであるのに対し、福井の水羊羹はこたつに入りながら皆でわいわいと食べる…というカンジですね。(ちなみにコンビニなどでは個タイプの水ようかんも売っています)
そして福井の水ようかんのもう1つの特徴は、黒砂糖の風味を楽しめるように作られているところでしょうか。
熱湯で溶かした寒天に、あずきあん、黒砂糖、ざらめ糖を混ぜて冷やし固めてあり、黒砂糖の甘味があっさりと効いた食べやすい味となっています。
毎年11月頃になると県内のスーパーの棚には各社何種類もの水羊羹が並び、価格帯は400〜600円。3月末まで冬期のみの販売です。
各家庭によってひいきのお店がありますが、その中でも代表的なお店は、「えがわ」でしょう。 福井ではトップシェアを誇り、「♪江川の水羊かん〜」のCMでも県民になじみがあります。
「江川の水羊かん」は全国発送も可能なので、興味のあるかたは寒〜い冬に「こたつで水ようかん」、ぜひ試してみてくださいね。
「えがわ」
http://www.egawanomizuyoukan.com/index.php