脱帽!真っ赤な旧正月のモーレツ豫園提灯祭り


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正月用品の店。赤、赤、赤。
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赤い下着がズラリと・・・脱帽!

中国の人々はとにかく赤色にこだわる。結婚や出産、あるいは新規開店時など、とにかくオメデタイ時は赤色なのであって、旧正月ももちろん例に漏れない。TVの司会者の服装はもちろん、提灯や人形、中国結び、福の字を逆さまにした“福倒”など、街で売られている正月飾りもひたすらに赤、赤、赤。
買い物に出かけた正月用品店の激しさに、モノトーン好きの僕はおもわず鼻血を出しそうになった。
この赤色へのこだわり話でさらに驚いたのは年男年女の下着事情。彼ら彼女らは、その一年をずっと赤い下着だけで過ごすのだという。うむむ、その徹底っぷりには、もはや脱帽するしかない。

そんな赤い上海の代表的観光地である豫園商場において、毎年旧暦正月1日〜15日の間に、民間芸術提灯祭という催しがあると聞いた。上海に暮す友人の家族は誰も知らなかったのだけれど、せっかくだから行こうよと無理矢理に誘う。そして出かけた提灯祭りは、もうもう、ド派手、濃厚、過剰、濃密。度肝を抜かれるような煌びやかな飾りが、僕らを熱く激しく迎えてくれたのであった。


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ド派手な豫園商場の中庭。

そもそも豫園商場は、急角度に反りあがった軒先のカーブが印象的な建造物で、お城のような建物それ自体がすでに派手な作りをしている。
そこをさらに飾り付けたのだからもう大変。
軒のカーブを電飾でなぞることから始まり、天井には多種多様な提灯が隙間なくブラブラ。
中庭では黄色に輝く大きな牛がぐるぐる回り、普段は蓮の葉が茂る池の上でも、これまた輝く人形や魚、動物たちが所狭しと浮かんでいる有様。


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提灯一つ一つはとても繊細な作り。

「民間芸術提灯祭」というお堅い言葉に厳粛な響きすら感じていた僕は、あまりの光景に我が目を疑い、「こ、これは・・・」と絶句してしまったのであった。
とはいうものの、賑やかな祭りが楽しくないわけがない。すぐに気を取り直して興奮し、人だかりをかき分けては提灯をじっくり鑑賞。ひとしきり写真に収めたあとは、「さあ胃袋の出番!」とばかりに小さな食べ物屋が並ぶ通りへ。まず手始めに烤肉串という豚肉の串焼きを食べながら順々にみて歩いた。


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雀の丸焼き

実のところ、豫園の有名店「南翔饅頭店」の小籠包が食べたかったのだけれど、あまりの混雑っぷりに断念。
それでもメゲなくて良いのが食の国中国で、他にも美味そうなものがいろいろとある。
茶の葉と共に煮込んだ卵、茹でたトウモロコシ、雀や羊の串焼き、苺や山査子やキウイの飴、さらには多様な点心に黒米とピーナッツのお粥などなど。
いろんなものを少しずつ、しかも歩きながら食べるのが楽しい。


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牛肉団子と牛の頭骨・・・脱帽!


迷い出したらキリがないほどある食べ物屋の中で、特に異彩を放っていたのが牛肉団子の店。団子自体は普通なんだけれども、その店の大鍋の横には牛の頭骨がドドン。丑年だからこその飾りつけと想像するけれど、あまりに安直で、あまりに生々しいではありませんか。
うーん、このセンスにも、これまた脱帽しておくしかないぞ。