福井県民は、他県の人よりも「せいこがに」(ずわいがにの雌)を好んで食べます。
せいこがにの最大の特徴は味噌と卵で、その味わいは舌の上でとろけるほど。「赤いダイヤ」とも呼ばれる内子は鮮やかなオレンジ色をし、甘みの中にほんのりと浮かぶ磯の薫り、なめらかな舌触り、ほっこりとした食感は、まさにせいこがにならでは。
近年では漁獲高維持のために漁期が制限され、11月上旬〜1月中旬までと雄に比べて2ヶ月ほど短いのですが、その間にもスーパーなどに、ズラリとせいこがにが並びます。また、越前がにが非常に高価であるのに対し、せいこがには手の届きやすい価格であることも人気のある理由の1つです。
残念ながら今年はせいこ蟹が不漁で値段も高く、あまり手に入りませんでしたが、それでも福井県民にとって、せいこがにを堪能しないことには冬は始まらないし、終わりもしないわけです。
かに漁が始まる毎年11月、2日間にわたって「三国温泉かに祭」が開催されます。会場の三国サンセットビーチには早朝からお目当てのカニを求める人たちで大賑わい。越前がにを売るお店や屋台が出店し、観光客ばかりでなく地元の人も多く詰めかけます。
特に人気なのは、振舞い鍋のサービス。無料ということもあり、行列ができるほどです。
その他、「かにラーメン」(1000円)や「カニグラタン」(350円)、せいこ蟹や甘海老、アンコウ、鮭などが入った「漁師鍋」(300円)などが売り出され、屋台も大人気です。
「越前がに大量市場」では、 越前がになどが市場形式で販売されています 。せいこがになら3杯程度で1000円と格安ということもあり、大量に購入して自宅で楽しみます。
そして我が家にも蟹がやってきました。 せいこがには真水で20〜30分ほどしめた後、沸騰したお湯で17〜18分ゆで、アツアツのうちにいただきます。味付けはゆでる時に投入した塩のみ。これがせいこがにの一番ポピュラーな食べかたです。
福井では、せいこがにを家庭で食べることが多く、それに伴いさまざまな調理法があります。殻ごと切ってスープやカニご飯にしたり、甲羅酒として楽しんだり。また、せいこがにの中身を丼飯に山盛りに乗せた「せいこがに丼」というものもあります。
炊きたてのご飯の上に、ゆでられたせいこがにの身、内子と外子をたっぷりとのせ、さらに蟹味噌もスープにしてかけたもので、非常に美味です。
同様に、「せいこ蟹寿し」という、せいこがにの旨さをまるごと堪能できる贅沢な逸品もあります。「喜八鮨」検索で取り寄せも可能ですので、ぜひお試しください。
「喜八鮨」
http://www.fuku-e.com/ippin/miyage/010_product/foods/052.asp