3月半ば、ブエノスアイレスの街は「グリーン」に染まった。

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3月17日のパレード
というのも3月17日はセイント・パトリックデー (St. Patrick’s day)。アイルランドにキリスト教を広めた聖人聖パトリックの命日でカトリックにおける祭日。

アイルランドの人々にとっては最大の祝日で国のシンボルであるシャムロック(三つ葉のクローバー)や国民カラーの緑の衣服を身につけて盛大にお祝う。
緑色に染まった川や緑一色の盛大なパレードをニュースで目にした人もいるかもしれない。

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こだわる人は、緑ベースのTシャ
ツにクローバーをペイントして
グループでビールを飲みに。
移民の国アルゼンチン。イタリアやスペインからの移民が多数を占めるとはいえ、実は世界で五番目に大きいアイリッシュコミュニティーが存在する。

というわけでとにかく盛り上がりはすごかった。午後六時頃からRetiro(レティロ)地区でケルト系音楽が鳴り響き踊りが披露されパレードが始まった。

そんななか私たちが向かったのは「ミロンガ」(タンゴを踊る社交場)。「なぜそんな日にタンゴ?」と思われたあなたは勘が鋭い。

いつもは人がいっぱいで踊るスペースさえない人気のミロンガも人々が「アイルランド」に気をとられているこの間にこそ「アルゼンチンならでは」を堪能したというわけ。

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街中が「グリーン」に染まっている
間に私たちはミロンガ!
予想通り通常ではありえないほど広々としたスペースでタンゴを踊りミロンガを満喫した私たち。一通り踊った後の宴では「今日くらいはアイリッシュ祝日に敬意を払わないとね」などと、いつも注文するアルゼンチン赤ワインではなくビールを注文。

そこまでくればアイルランド流に「ギネスビール」を注文するのが流れのはずだが、同じビールでもちゃっかりアルゼンチンが誇る「キルメス(Quillmes)ビール」を注文しているのはさすがに笑った。

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キルメス
その後「一杯分くらいアイリッシュになろうか」と近所のバーに向かった私たちを迎えたのは「Irish Car Bomb(アイリッシュ・カー・ボム)」。Irish Car Bombとは、ギネスビールとベイリーズ(Baileys:アイルランド原産のクリーム系リキュール)そしてウイスキーを混ぜたもの。

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Irish car bomb
これを一気に(車=CARが猛スピードで過ぎ去るくらい。爆弾=Bombのように。)早く飲むのが「礼儀」。その名前の由来だとか。アイルランド人になるのも楽ではないと痛感した瞬間だった。

真っ黒い色で力強い味の「ギネスビール」に「さっぱり軽い風味のキルメスビール」。二つの国が誇りにするビールの味の違いからお国柄なんかの話しで盛り上がった長い長い夜だった。