映画記事
「心を何にたとえよう」---印象的なフレーズだ。主題歌を歌う手嶌葵の歌声は、まるで私たちの心の穢れを取り払うかのように染み渡る。 均衡が壊れつつある世界、アースシーを旅する大賢人ハイタカ(ゲド)は、「...
なかなか、自分自身のことは自分ではわからないものだ。当たり前だと思っていたことが、他の人からみたら奇妙なことだったりすることはよくある。大きな鏡がなければ全身が見えないように、外側から自分の姿を客観的...
主演の渋谷飛鳥のバースデーイベントでケーキをプレゼントした楳図だが、トレードマークの“グワシ”を手に、かけ声も「おめでとうグワシま〜す!」と底抜けに明るい。イベント中のトークで...
『ハチミツとクローバー』、略して『ハチクロ』。コミックから端を発した大人気作品の快進撃は、テレビアニメに、そして実写映画にと、とどまるところを知らない。 「自分の好きな人が自分のことを一番好きになって...
ギリアム版『不思議の国のアリス』が誕生---。映画界の鬼才、テリー・ギリアム監督の新作である。前作の『ブラザーズ・グリム』、そして今回は『不思議の国のアリス』がモチーフということは、大人も子どもも皆...
大粒の涙が、何度頬を伝っただろう。なめてかかっていた。子どもが主人公のアニメだし、RPG仕立てらしいし、軽い作品なのだろう、と。 予想は見事に裏切られた。状況設定がいちいち現実的すぎる。主人公は11歳...
ジャパニーズ・ホラーが、今度はゲームの世界から快進撃だ。本作は日本のゲームメーカー、コナミの大ヒットゲームの映画化作品である。 全世界で530万本以上を売り上げたこのゲームの映画化権には、ハリウ...
通常、マスコミ試写というのは開演の30分前に会場入りすれば、余裕綽々で好きな席に座ることができる。だが、本作は事前に映画会社から案内を受けた。30分前でも満席になる可能性があるので、もっと前に来て欲し...
「その結婚、あなたを輝かせてくれますか?」「その“理想”、捨てる勇気ありますか? 幸せ探しをする全ての女性たちへ贈る、この夏一番の感動作」---とのコピーには、思わず反応せず...
33年前、日本映画史に残る大ヒットを記録したパニック映画、『日本沈没』。小松左京原作によるこの作品が、現代に甦った。 どんなジャンルの映画でも、肝心なのは“いかに人間を描くか&rdquo...
多くの日本人の心を魅了してやまない不朽の名作アニメーション、『アルプスの少女ハイジ』。「教えて〜、おじいさん〜」の歌や、「クララが立った!」の台詞で親しまれたあの感動作が、本作をもって実写版となった...
映画の興行成績を決める重要な役割のひとつに、“プロモーター”という存在がある。文字通り、プロモーション=宣伝を行う人たちである。この映画『タイヨウのうた』では、ひと味ちがったプ...
「バカ」という形容詞は、単語の前に付くか後ろに付くかで、意味が逆になる面白い言葉である。 例えば「親バカ」といえば、少々の肯定を含むニュアンスがあるが、「バカ親」というと、どーしようもない親のことを...
ホラーとコメディが同義語になって久しい。…と言っても私の中だけの話しだと思っていたのだが、どうやらそうではないらしい。ホラー大作『オーメン』完全復刻版のマスコミ試写会で、高らかな笑い声が...
読んでから見るか、見てから読むか 小説の映画化は数々あれど、「あそこが違う。ここが変」とつい重箱のすみをつつきたくなります。ここで紹介するのは、重箱のすみが気にならない作品限定。あくまでも記者の目...
子ども時代はともかく、おとなになってもなかよしの兄弟というのは、あまり聞いたことがない。ひとつ屋根の下に住んでいても、ほとんど会話しない兄弟だってめずらしくない。「友人は選べるけれど兄弟は選べない...
・韓流こういうのもアリ、なのだ ハンカチが1枚では足りない滂沱必須のメロドラマ、ではない。国や兄弟のために戦うハードなアクション、でもない。可愛い彼女の騒動に巻き込まれるラブコメディ、でもない...
お約束の結末に向けて疾走する豪速球メロドラマ ・泣きたい時に泣かせてほしいメロドラマを観る、という行為は、そもそも「泣く」ことを前提にしているわけだから、観る側としては滂沱というほど泣かせてく...