映画記事
ご存知のとおり、本誌「あそびすと」の編集長は女性である。そしてこの原稿を書いている私も、女性である。 その昔、女性は女性であることだけを理由に蔑まれ、差別される時代があった。だが様々な困難を乗り越...
写真術という同じテクノロジーを使いながら「ムービー」と「スチル」、すなわち動いているか停っているかでそれぞれ呼び方の異なる「映画」と「写真」ではあるが、ほぼ同一のフォーマットであるフィルムを使うと言う...
到底、この贈り物は受け取ってはいけない。無論、贈ってもいけない。いや、喜んで受け取らなければいけない。これは究極の贈り物なのだから…。 鑑賞後、観客の意見は真っ二つに分かれるだろう...
タイトルの『チェンジリング』とは、「取り換えられた子供」という意味である。妖精が子供をさらい、その代わりに醜い妖精を置いていくという西洋の古代神話からくるのがこの語だ。 たとえその妖精が醜くなくとも、...
『ピンポン』や『舞妓Haaaan!!!』の脚本で知られるクドカンこと宮藤官九郎が、奇才としてのその才能を監督・脚本として魅せつけた本作。ここまで来ると奇才というよりはまさに“鬼才&rdqu...
たとえ老人の身で生まれ、年をとるたびに若返っていくという通常とはまったく異なった人生だったとしても、人と出会い、その出会いによって自らの人生が豊かになっていくという黄金式は他の誰とも変わることなどない...
「もしわれわれが空想家のようだといわれるならば、救いがたい理想主義者だといわれるならば、できもしないことを考えているといわれるならば、何千回でも答えよう、そのとおりだ、と。」キューバ革命を成功させた2...
前作『007 カジノ・ロワイヤル』に引き続き、ボンド役のダニエル・クレイグによる骨太のアクションが冴え渡る本作。 そのヤバさは前作のスケールをはるかに凌ぎ、カーチェイスやら逃走劇やら炎からの脱出シー...
恋愛において誤解はつきものである。ふとした言葉、ふとした行動、ふとした表情。相手に心底惚れこみ、ときには崇拝するかのように憧れている恋愛ならなおのこと、相手の些細な動きに過敏なまでに反応してしまい、て...
あの見慣れた新橋駅風景が、ここまで崩れ落ちてしまうとは。そのリアルさには目を見張るものがある。 史上最大の巨大台風が日本直撃。地下鉄のホームが崩れ落ち、流れ込む大量の水に人々が流されていく。奇跡的に...
〜月から地球を見た人たちのオヤジトーク〜 さて「ザ・ムーン」と聞くと、ついジョージ秋山のカルトな漫画を思い出してしまう少年サンデー&少年マガジン世代のワタクシではありますが、もちろんソレとは違います...
子供時代からの友人との絆は、歳をとって大人になってからも容易に途切れることはない。たとえ各々が裏稼業に身を置いてしまっても…だ。 返還間近のマカオ。ボス暗殺を企てたのちに逃亡したウーの消...
誰も見ていないところでも、我々人間は良識を保つことができるだろうか。そうに決まっている…自身が良識あふれる人間だと自覚している人は言うかもしれない。だが、本当にそうだろうか? 自分の身に...
大人による、大人のための、大人だけの極上ミステリー。『X-MEN』シリーズのヒュー・ジャックマンが、初プロデュース作にして絶品のラブ・サスペンスを生み出した。 世界を動かす街、ニューヨーク。仕事場と家...
●才能の放し飼い、暴走するアニメーション 2008年の夏は、2本の大きな、メジャーな、外国の映画祭にも出展されたアニメーション映画が公開されたことで「記録」される年になるだろう。もちろんそれは、宮崎...
浮遊感と通じない言葉。空気を感じる不思議な映画。 カンヌ国際映画祭でカメラドール受賞の劇場映画デビュー作「萌えの朱雀」や、2007年のカンヌ映画祭グランプリ受賞の「殯の森」他、TVCFなどで知られる...
誰にでも老いはやってくる。そして死も。ともすれば忌み嫌ってしまうそれらと闘うのではなく、逆にそれらを抱きしめ、楽しんでしまおうというのが本作に登場する老人コーラス隊メンバーたちの生き方である。 ア...
誰にでも多かれ少なかれ、親子の葛藤というものはあるだろう。その葛藤をいかに克服していくか? 青春期が抱えるそんな苦悩を、切なくも美しいストーリーとファンタジーで包み込み、そして“許してくれ...
〜緩く過ごす。すべてを赦す。ステキな掌編映画〜 なによりもタイトルの語感が美しい。 印象に残る映画というのは、邦画であれ洋画であれタイトルがイイものが多い。解りやすくシンプルで力強い。 そういう点...
SF小説の名作、ジュール・ヴェルヌの『地底旅行』で描かれた世界を、3Dという脅威の映像で生々しくリアルに追体験させてくれるのが本作だ。 アイスランドで地質学の調査を行っていた科学者と甥っ...