期限付きのリトル・ロマンス

事でも人生最初に経験することには、「初」という冠をかぶせるものだが、私の場合はどれもこれもに「初」の字が付くように思う。初恋とて同じことだ。幼少よりヘンにませていたのと、どの出会いも新鮮でこれこそが初...

次郎長三国志

●直球勝負、正しいチャンバラ映画 スマッシュヒットとなった「寝ずの番」に続くマキノ雅彦(=津川雅彦)監督2作目の映画は、何と叔父のマキノ雅弘監督十八番の「次郎長モノ」。オールドファンには懐かしいあ...

百万円と苦虫女

わらしべ長者ならぬ、逆わらしべ長者とも言える傑作だ。 短大卒業後、就職もできずフリーター暮らしの主人公(蒼井優)。ある事件をきっかけに貯金が百万円になるごとに誰も知らない土地へ移り住むことにする彼...

ミラクル7号

すでに雑誌やTVスポット、Webなどで露出しているのでご存知の方も多いと思う、宇宙から来た「使えねー」生命体「ナナちゃん」。この「ナナちゃん」があんまり大活躍しない(笑)チャウ・シンチーの新作が『ミラ...

クライマーズ・ハイ

タイトルの“クライマーズ・ハイ”とは、登山時に興奮状態が極限まで達し、恐怖感が麻痺してしまう状態を指す言葉だ。 1985年8月12日、日航機墜落事故発生。乗客乗員524名...

vol.42:高橋一郎たばこ屋は街中の人と知り合いにならなきゃダメ タスポだっておんなじよ!

相模原に、スゴイたばこ屋があると聞いて、訪ねてみた。ホームページがなく、インターネットにもほとんど情報がない。住所を頼りにたどり着くと、「世界のたばこ500種類」とだけ書いてある看板を掲げた小さ...

vol.7 猪原昌朗

【猪原昌朗さんに7つの質問】 Q1:デザインの道を目指したきっかけは? 幼少時代から絵や工作が得意で、中学生の頃には、将来は美術やデザインなどのクリエイティブな世界に進みたいと思っていました。ところ...

日の出湯 –タヌキの幻想–

日曜日の夕暮れ。 ビールを飲みつつ、東京都浴場組合が発行する「東京銭湯お遍路MAP」を開く。 銭湯に行く前は身も心も燃えたぎる。この時点ですでに上半身は裸だ。 おおし決めた! 今日は&ldquo...

平和湯 –地獄の釜–

さて、気づくとこの「銭湯民族の教え」も、今回で10回目を数える。 近頃では、銭湯情報のタレ込みも多くなり、まさに銭湯男としての地位が確立されつつあるのだ。 そんな中、友人から挑発的なメールが届い...

vol.41:橋本明子ボランティア活動の原点は「今何が必要か」を考えること

橋本明子さんが代表を務める「血液情報広場・つばさ」のオフィスを訪ねた。 その日は分厚い雲が空を覆いつくし、激しい雨が止むことなくアスファルトを叩きつけていた。誰でも、気持ちが重々しくなるような...

vol.6 水沢悠

【水沢悠さんに7つの質問】 Q1:人前に出るのは好きだった? 小学校は学級委員や児童会長を務めました。その学校ではテレビ朝礼を導入していて、職員室のカメラでほとんど毎日撮影されていたんです。合唱クラ...

アウェイ・フロム・ハー 君を想う

年老いてもなお、愛し愛され続ける夫婦。アルツハイマーに犯され、好きだという気持ちさえわからなくなってしまっても…それでもその愛の形を続けることはできるのか。そんな相手を、許すことができ...

猛き箱舟(上下)

「虹の谷の五月」「砂のクロニクル」「神話の果て」「緋色の時代」「流沙の塔」…そして「猛き箱船」。 著者の著作年譜など意識もせず、なんとなくパラパラめくって中東、東欧および中央アジア近...

Mr.ブルックス〜完璧なる殺人鬼〜

大なり小なり、誰もが何かに依存しながら生きている。富も名声も手に入れ、何一つ不満などないはずの人生だとしても、だ。だが逆に頂点に鎮座している人間は、その位置からの転落を恐れる心を潜在的に持っているから...

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー

トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ、フィリップ・シーモア・ホフマン。ハリウッドきっての名優たちが贈るのは、この上なく素晴らしい「奇蹟」の物語…それも、実話を基にした胸躍るような物語だ。 ...

純喫茶磯辺

バツイチ中年の、冴えないオッサン磯辺裕次郎(宮迫博之)は、一人娘の咲子(仲里依紗)と団地でショボく暮らす日々。そんな彼にある日多額の遺産が転がり込む。大金を手にした裕次郎は、唐突に「喫茶店をはじめる」...

ミスト

先に公開されたアメリカでは衝撃のラストをめぐって論争が巻き起こるなど、“衝撃”という言葉がこれほどまでに的を射ている映画もそうそうない。宣伝文句どおりの作品である。それもそのは...

ハンティング・パーティー

社会派作品というものは多々ある。が、大概の場合それらは、シリアスなテイストで描き出されるものが大半だ。扱っているテーマがテーマなのだから、当然といえば当然であろう。だが本作は、そういった一般的な傾向と...

初恋はフルートの調べとともに

当時16歳だった私は、両親が音楽大学の受験指導をしていたため、日曜は受験生にスリッパを率先して出していた。その中にヒデがいた。彼は愛媛出身でフルート科を目指して、両親の教鞭を取る音大に入るため父から音...

vol.40:山崎博子『女性監督にカンパイ!』にカンパイ!

今でこそ、女性の映画監督が増えてきたが、以前は完全に男性中心だった映画界。そんな時代に、映画を作りたい一心で海外に飛び出した人がいる。山崎博子さんだ。80年の映画留学をはじめに、角川春樹監督「天と地と...