近年では“東洋のサンモリッツ(スイスのリゾート地)”と呼ばれ、主にオーストラリアからの観光客が激増しているニセコ。サンモリッツの名を出すまでもなく、冬はスキーで有名だが、秋は紅葉の名所。スキーシーズンの前、秋の観光シーズンにも多くの人が訪れる(ちなみに“ニセコ”と呼ばれるエリアは、ニセコ町だけでなく倶知安〔くっちゃん〕町なども含まれる一帯となる)。
ドーンと百合根のかき揚げドーン
さて、我が家も紅葉狩りbyドライブと称してニセコ方面へ車を走らせる。途中、旬の果物が並ぶ直売所が何度も車を止めさせてしまう。たびたび寄り道しつつ、最初の腹ごしらえは真狩(まっかり)村の道の駅へ。
みちすがらのソフトクリーム
はカマンベールチーズ味
真狩村は百合根の生産量も品質もナンバーワンで、全国に出回る百合根の90%以上は北海道産であり、さらにそのほとんどが真狩産。特に関西では高級食材とされる百合根がほとんどこの地にあるといっても過言ではないのだ。
この道の駅の食堂でももちろん百合根を食べることができる。ふんだんに使ったかき揚げのどんぶりである。
揚げられたほっくほくの百合根がホカホカの道産米の上に、これでもかっ!てほどこんもり乗せられている。なんとも贅沢などんぶりだ。こんなに大量のゆり根をいちどに食べたのは初めてだ。
なお、百合根だけでなく、真狩は数々の美食の地でもあり、天然ハーブで育てられた真狩村ハーブ名産豚や、口コミで人気のブーランジェリー(パン屋。〔ブーランジェリー 真狩〕で検索するとわかります)などがある。
気になるものはすべて胃袋に入れ、やっとニセコ入り。壮大なる山々を拝み深呼吸……。
硫黄と湯気が立ちこめる大湯沼
蝦夷富士とも呼ばれる羊蹄山
ニセコにていちばん感動したのは、チセヌプリ近くの大湯沼。熱湯(温泉水)の沼で、水辺(湯辺?)に降り立つと、ものすごい硫黄の香りと、ムクムクとたちこめる湯気。温泉に入らずして、温泉に入ったような癒され感で、気がづけば1時間くらい眺めることとなった。
その後は羊蹄山の麓で、ミルクやらチーズやらの、スイーツをたらふくいただき……半ば予想どおり、花(紅葉)より団子な秋のドライブとなったのであった。