おでんは世界に広がるか?—-大人の工場見学も


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浜の町で見つけた「杉永蒲鉾」でお買い物

NYから23年ぶりに生まれ故郷の長崎に帰国して8カ月、日本の四季おりおりの料理がおいしくてたまりません。

そして、秋になって感動しているのが“おでん”です。NYの日本食料品店やチャイナタウンでも、蒲鉾、こんにゃく、大根、卵は入手できるので、おでんはよく料理していましたが、長崎の蒲鉾のおいしさはタダモノではありません。町中に蒲鉾専門店が溢れ、新鮮な魚類と野菜を使った何種類もの蒲鉾があふれています。

そんな蒲鉾激戦区長崎で、いつも人だかりができている蒲鉾屋「杉永蒲鉾」をみつけました。味と値段にうるさい長崎のおばさんたちが、20種類以上あるおでんダネの揚げ蒲鉾を目の前で10枚、20枚単位で買っていくのです。さっそく私も購入しおでんを作ってみました。そのおいしい事といったら、いままでのおでんをはるかに超えています。

長崎の繁華街、浜の町の売り場に何度か通ううち、偶然、杉永蒲鉾の杉永会長にお会いました。そして、「本社の工場に来てみんね」と声をかけられ、長崎市内にある工場見学に行きました。


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練り物類に大根、卵とおでんダネが並ぶ

1分間手を洗い、マスクと帽子を着け長靴を履き、エアーシャワーで身体に付着したホコリを落として入ったところは、髪の毛1本落ちていないぴかぴかの蒲鉾工場。徹底した衛生管理の中で、新鮮な蒲鉾が作られていました。

杉永会長がこだわっているのが「空気」。新鮮な魚を練りながら中に空気を入れてふわふわな食感を作り出します。マシュマロのような口当たりのハンペンや、ふわふわの一口おあげは、こうやって作られていたんですね。現在はちくわ型に切ったこんにゃくに蓮根を入れたものなど、さらに新しいおでんの材料を研究開発しているそうです。

23年ぶりに食べた長崎の蒲鉾は、魚の新鮮さとうまみはそのままに、新しい食感を追求するなど進化していたのです。何十種類もある蒲鉾やがんも、こんにゃくは、おでん料理をぐーんとグレードアップしていました。


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見てるだけでもハッピー♪

豊富な蒲鉾類と長崎の蛸、大根、卵、牛筋を、昆布だし、酒、長崎の薄口醤油で味付けし、弱火でコトコトと煮たおでんは、食卓をとてもハッピーにしてくれます。

NYはここ数年日本食ブームで、寿司、焼き鳥、豆腐、ラーメンなどが、高級レストランから、ファーストフードまで広がっています。DHAたっぷりの鯵や鰯を使った蒲鉾、イソフラボンがたっぷり入った豆腐、野菜がたっぷり入った鰯ハンバーグ、ヘルシーでダイエットにもいいこんにゃくなどを使ったおでんは、頭でっかちのニューヨーカーを納得させる健康食品として、今後海外にも進出できる可能性充分と見ました。