稲荷神社の総本宮・京都の伏見稲荷大社でハイキング〜お茶屋名物を食す〜


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JR稲荷駅。鳥居のような朱色のデザイン

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こちらが有名な千本鳥居。左右どちらから
入っても行きつく場所は同じです

全国に約3万社あるといわれる稲荷神社。その中の総本宮といわれる京都の伏見稲荷大社でハイキング。
「神社でハイキング?って大げさだな〜」と思うのは最初だけ。
というのも、お稲荷さんの境内は標高233メートルの稲荷山の大部分を占め、甲子園球場の約22倍とも言われる面積の26万坪にも及ぶのです。「近くまで来たから、ちょっと散策してみよう!」では最後まで到達できません。ハイキングシューズに履き替えて、リュックを背負い頂上を目指すぐらいの気合いが必要なのです。

江戸時代以降に、願い事が「通る」「通った」というお礼の気持ちから鳥居を奉納する習慣が広まったという伏見稲荷大社は、千本鳥居が有名です。敷地内に合計約1万基の朱色に染まった鳥居が、山の参道にずっしりと立ち並んでいます。

鳥居が一本ドーンと立っている景色というのは、他神社で何度も見たことがあるけれど、まるでトンネルのようにずらっと並ぶ鳥居は圧巻です。鳥居が太陽を軽く遮断して木漏れ日のように光が降り注ぎ、朱色の鳥居をさらに美しく際立たせる。
今までに味わったことのないような清らかで神聖な気持ちになりながら、山を登り鳥居をくぐること約30分。

初秋で涼しいというのに体に汗をかきながら、休憩所のお茶屋さんでまだ3分の1の距離の三ツ辻であることを知る……。多くの観光客はそこがまだ3分の1ということに、私同様「え…まだ3分の1ですか」と失望?の言葉を発し、見も知らぬ観光客と「頑張って登りましょうね」と声を掛け合ったりして、運命共同体のような結束が生まれる。ハイキングにはつきものですよね……。


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甘辛く炊かれたにしんがドーンと
乗った京都名物「にしんうどん」

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関西は三角のいなり寿司が基本。生姜の効いた
冷やしあめを飲んでエネルギーを補給

とにかく休憩をせずに最後まで登り切り、そこで休憩しようと決意しました。

四ツ辻から山を見下ろすと、だいぶ上の方まで登ってきたんだと少し勇気が沸いたけれど、ここから先は1時間以上かかるというので、ここで腹ごしらえすることにあっさり決定……。
参道には昔ながらの趣深いお茶屋さんがいくつかあり、休憩をとりながら山を登ることができます。おばあちゃんおすすめの京都名物・身欠きにしんが入った「にしんそば」、「いなり寿司」を注文しました。なぜか出てきたのは「にしんうどん」でしたが、器の中にドーンと大きなにしんが入っていて、甘く煮込まれたにしんがお出汁とよく合っていたので満足です。

いなり寿司の名前の由来は、稲荷大神社のお使いとされていたきつねの好物が油揚げだからと言い伝えがあるようですが、真相はさておき、関西風のおいなりさん(関西ではそう呼ぶ)は三角形。甘く炊きあげられたおあげさんが、包み込まれた酢飯と絡み合って疲れを吹き飛ばしてくれました。

もうひとつ忘れてはいけない飲み物。それは「冷やしあめ」。名前の通り麦芽水飴を溶かして生姜の汁を加えた甘い伝統的な関西名物。ビールのような琥珀色で、やたらと甘いのに生姜の刺激もあって好き嫌いが分かれる賛否両論な飲み物ではありますが、疲労回復にはもってこいです。


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かなり上の方まで歩いてきましたが、
まだ残り半分以上あります

観光客の中には、「最後まで行くか」「ここでやめるか」と話し合っている人たちもいます。
私も観光気分で来ていたら、最後の一周きついと思いますが、今回はハイキングするぞと気合を入れてきているので1時間半かけて一周。

稲荷山には数多くの神が崇められていて、豊かな自然や、大小さまざまな鳥居、きつねの像などそれぞれのスポットで見どころがたくさんあります。神聖な気持ちになったせいか、驚くことに四ツ辻に戻ってきたら思ったほど疲れていませんでした。
その後、3日間に及ぶ筋肉痛は、すさまじいものがありましたけど。