運転の荒さで有名なリマのバス。
日本や韓国からの輸入中古車が多い
信号待ちの一瞬で商売をする
アイスクリーム売りのオジサン
食欲の秋、ならぬ春の到来! 南半球のペルーは、近頃やっと春らしい陽気になってきた。薄暗くて寒い冬空から青空がのぞくようになると、「さて外へ出かけよう!」という気分になる。折しも「ペルー国際グルメフェスティバル・Mistura2009」がリマの旧市街で開催されるとあって、バスに乗ってえっちらおっちら、小一時間かけて行くことにした。
この祭りには有名どころのレストランが数多く出店する上に、一皿6ソーレスか12ソーレスでカリスマシェフたちの料理が食べられるのだ。日本円にしてたった200円か400円、これはもう行くしかないでしょう!会場でたくさん食べようと、お腹を空かせてバスに乗った。
「マニマニマニ〜(ピーナッツはいらんか〜)」「ビスケットォ〜」「飴玉一つ10センティモ(3円)〜買ってくれ〜!」
しかし空腹時にバスに乗るのは、実はとても辛い。
バスからバスへと移って
営業するオバチャン。
豆とポップコーンは定番商品だ
そう、物売りが次々とバスに乗ってくるからだ。誰かが何かを買うとこちらもつい手を伸ばしたくなる。いやしかし、今日はグルメフェスティバルに行くのだし、ここで誘惑に負けてはいけない。いつもならすぐ買ってしまうソラマメのフライを横目に、我慢の1時間であった。
フェスティバル会場は平日にも関わらず大変な人出。こちらもさっそく食券を買い、有名店の料理を品定めする。
新鮮な魚介類と冷えたビールは
最高の組み合わせ!
まずはペルー北部で獲れるコンチャネグラのセビーチェと、ヒラメのセビーチェの二種盛り合わせから。新鮮なコンチャ(貝)ネグラ(黒い)から出るうま味たっぷりの黒い汁と酸味の効いたレモン汁、そこに唐辛子のぴりっとした辛みが絶妙なハーモニーを奏でている。いやぁ、こいつはビールが進む! ソラマメを我慢してよかった。
次はペルーアマゾンの伝統料理フアネに挑戦。お米を様々な香草で味付けし、鶏肉、オリーブ、ゆで卵を混ぜてバナナの葉に包んで蒸した料理で、焼きバナナとココナという酸味の強い果物から作るソースをつけて食べる。アマゾン風ちまきといったところか。少しお米が柔らかすぎたが、見た目よりもさっぱりした味付けでこれまた気に入った。
その後もペルー南部アレキパ名物のロコト・レジェーノ、イタリア系ペルー人が作る激ウマパスタ、アイスクリームにコーヒーと、リマにいながらにしてペルー全土+イタリアという食い倒れな1日を過ごしたのだった。よくもまあこんなに食べたもんだ。
握りこぶし大ほどもあるフアネで、
すでにお腹がいっぱいに
パプリカの肉詰めのような
ロコト・レジェーノ。うまいっ!
我ながらその食いっぷりに感心する。 帰りのバスでも物売りが熱心に営業していたが、いやもう、今は見るのも嫌だ。こうしてしっかり太ったであろうお腹を擦りながら、また1時間かけて家路へとついたのだった。