執筆者: 林田 久美子
父の不倫相手に誘拐され、4歳まで育て上げられた少女。直木賞作家・角田光代のベストセラー小説『八日目の蝉』が、錚々たる名優陣らを配し実写化となった。 会社の上司と不倫して身ごもった命を止む無く絶ち...
死んだはずの人間が“GANTZ”に召喚され、一方的な命令とルールの中で不条理な戦いに身を投じる本シリーズ。前作『GANTZ』の続編である本作は、映画版での完結編としてその答え...
あらゆる場面での様々な選択の積み重ねから、我々の人生は出来上がっていく。あの時あの選択をしていたら、していなかったら、あの言葉を発していたら、いなかったら......。 『トト・ザ・ヒーロー』、『八...
もともとは3月19日公開予定のところ、震災の影響で公開延期になってしまっていた本作。月が替わり期も替わって4月になると、震災後には夕方早々に店じまいをしていた巷の百貨店なども通常通りの閉店時間になり...
東北関東大震災の影響はまだまだ収まらず、公開延期になる作品も後を絶たない。 災害を連想させるシーンがある作品や、そうしたシーンがなくともポジティブではない印象を抱かせると懸念される作品、そして大スタ...
まず初めに、この度の東日本大震災により被災された皆様、そしてご家族の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 この時期に娯楽作品を紹介するのはいかがなものか、というご意見もあるかもしれない。だが、被災...
当時、まだロックが男だけのモノだった時代。平均年齢わずか16歳の少女たちが敏腕プロデューサーに見い出され、スター街道に昇りつめ、そしてその頂上から落ちる様を、実話に基づいて描いたのが本作だ。 ...
誰にでも欠点はある。それが生まれながらにして、そしてちょっとやそっとの努力で直らないもので、ましてや自身の「仕事」に直結するものであったなら……。そんな深刻な悩みを持...
『ドッグヴィル』や『ダンサー・イン・ザ・ダーク』で知られるラース・フォン・トリアー監督の最新作である本作。『ドッグヴィル』の大ファンである私は、この監督の次作である『マンダレイ』を大いに楽しみに...
死者の声を聞く男、死を垣間見た女、大切な家族を失った少年。今回、巨匠クリント・イーストウッドが描くのは「死」をテーマとした意欲作。イーストウッドらしい細密な心の描写が生きた感動作となっている。 ...
治安のいいこの日本にぬくぬくと育ってきた私を含め、多くの読者諸氏には信じられないかもしれないが、本作の舞台であるアメリカのボストンは、まるで家業のように銀行強盗が父から子へと受け継がれる街だ。この街...
ある瞬間、突然に人々が衣服や生活道具をすべて残して消失する……。この興味深い設定で主役を演じるのは、『スター・ウォーズ』シリーズのヘイデン・クリステンセン。刻一刻と勢力を...
ユアン・マクレガー、そして『シャッター アイランド』のミシェル・ウィリアムズ、この二人の豪華スターによる共演。テロによって息子を奪われるという凄まじい現実を、母役のミシェルが懸命に演じる。 ロンドン、...
全米コメディ映画史上歴代興収ナンバーワンの大ヒットコメディ『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』の記憶も覚めやらぬなか、同スタッフが集結して作り上げたのが本作。キーマンのザック・ガリフィ...
新春のめでたい時分に、このようなタッチの本作を紹介することにいささかの迷いを覚えたのは事実だ。だが、間違いなく本作は日本の映画界にめでたい知らせを今後も数多く伝えてくれるであろう、画期的作品なのである...
ベルリンでは『愛より強く』でグランプリ、カンヌでは『そして、私たちは愛に帰る』で脚本賞、そして本作でヴェネチアの国際映画祭審査員特別賞とヤングシネマ賞のダブル受賞を果たした監督、ファティ・アキン。36...
マイケル・サンデル教授の『これからの「正義」の話をしよう』がブームになってからというもの、「正義」をテーマにした作品が多く作られている。本作もそのひとつなのだが、通常のハリウッドものと違い、勧善懲悪の...
このレビューをご覧になっているネットユーザーであれば、SNS=ソーシャル・ネットワーキング・サービスのひとつやふたつ、多い方ではいくつも加入していることだろう。日本では『mixi』が圧倒的なシェアを誇...
誰の胸にもある、人生への絶望と希望。本作は、それらの真逆の側面を静かに静かに浮き彫りにしていく。 12年もの間、刑に服していたレイラは恩赦により刑務所をあとにする。行くあてもない彼女はヤコブ牧師の家...
何をどう絶賛しようか迷うほど、すべてにおいてパーフェクトな本作なのだが、あえてどこかを選ぶなら、まぁとにかく、HGが凄い。HGといっても少し前に流行った「フォーーーー」のレイザーラモンではない。本作に...