あつあつの焼とうきびにかぶりつく!「とうきびおばさん」の活躍


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北海道食の広場
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雪像

札幌の冬の一大イベントのひとつは、間違いなく雪祭りである。夏には全国各地からの観光客であふれかえる札幌も、雪が降り積もる間は閑古鳥さえどこかへ行ってしまう。そんな札幌も、雪祭りシーズンは大忙しだ。北海道のみならず、全国各地、あるいは海外からも集まるおよそ200万人もの観光客に北海道の魅力を知ってもらうべくさまざまなイベントが開催される。

そのひとつが「北海道食の広場」。ラーメン、ジンギスカン、室蘭やきとり、海鮮焼きと華やかな顔ぶれが並ぶ。熱々のジンギスカンをほおばりつつ、昼から生ビールをぐいっとあおる贅沢!そんな大盛況の中、いつも通りの表情で、いつも通りに働いている屋台がある。「とうきびおばさん」の屋台。


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とうきびおばさん

北海道では、「とうもろこし」のことを「とうきび」と呼ぶ。日照時間が長く昼と夜の気温差が大きい北海道のとうきびは、とびっきり甘い。太陽光を十分に受けて光合成するから、糖分が蓄えられ、かつ夜は気温が低いから糖分が失われないのだ。

北海道のとうきびの食べ方のひとつは、焼きとうきびだ。とうきびに醤油をはけで塗りながら焦げ目がつくまで焼くという素材そのものを生かしたいたってシンプルな調理法。
特に大通り公園のとうきび屋台は有名で、本来は夏の風物詩であった。


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とうきび屋台

ところが、である。夏だけ姿を現していたとうきび屋台が、大通り公園雪祭り会場に、何くわぬ顔(?)をして立っているではないか!!

今、北海道では面白いキャラクターで観光を盛り上げようというプロジェクトがあり、これまで、「テレビ塔のテレビ父さん」「時計台の時計大臣」「定山渓のおカッパちゃん」などの限定キャラクターが人気を集めてきた。その第4弾として登場したのが、「とうきびおばさん」。


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テレビ塔のテレビ父さん

そのまんまじゃないか、と言うなかれ。もともとは、イラストレーター、まうのすけさんの作品だった「ブスッとした顔のおばさん」は、とうきび欲しさに近づく鳩に向かって「そんな顔したってダメよ」と言い放ったり、かと思えばとうきびを焼いている最中に居眠りをしてしまったりと、かなりユーモラスなキャラクターなのだ。

このキャラクターをプロデュースした「北海道キャラクタープロジェクト」の永谷さんは、「こんな街中の公園で大々的に焼きとうきびを売っているのはおそらく札幌だけ。もっともっと注目されてもいいはず」と「とうきびおばさん」をアピールしている。


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「とうきびおばさん」


今や、「とうきびおばさん」の活躍のおかげで、札幌っ子は冬でも焼きとうきびにかぶりつくことができ、雪祭りに訪れた観光客もアツアツの焼きとうきびをほおばる。

当の「とうきびおばさん」は、周囲の派手な宣伝には全く無関心であるように、愛想よくするわけでもなく、呼び込みをするわけでもなく、いつもの「ぶすっ」とした顔でもくもくてきぱきと働いているのである。