「最近おもしろいショップを見つけたよ」と友人に教えてもらったのが、space1-15。札幌市の中心部から少し離れた住宅街の中にある築30年の古いマンションに、作家たちが週末だけオープンするショップの集まりがある。
ギャラリー、雑貨屋、カフェ、本屋から花屋、整体のお店まで! 近い将来自分の店を持つための準備として始めたオーナー、新しい働き方を模索して現在のスタイルにたどりついたオーナー。それぞれが、マンションの部屋に個性あふれるリノベーションを施している。
ビル内ということで、各店舗へは
オートロックを開けて進みます このクリエイター集団space1-15が、今年初めての夏を迎えるにあたって、「真夏の1-15祭」を催した。夏らしいステーショナリーや植物、夏のトラブル肌のためのその場で調合する手作り化粧水から、夏バテ防止のためのアイスハーブティーやカレーまで。それぞれの作家達が「space1-15の夏」にふさわしい手作り商品を提供した。
作家のひとりは、この祭りを通して「この場所を大切に想う方達の気持ちや、ここに訪れてくれる方達への感謝の想い」を伝えたい、と言う。実際に祭りをのぞきにやってきた人達から、「なんだかおもしろそうなことをやっているみたいだけれど、なかなか入るきっかけがつかめなくて。こうやってオープンにしてくれると、今度から行きやすくなる」というお話もうかがった。
そもそも祭りって、非日常の場に人々が集い、さまざまな行為をともに経験することによって気持ちも共有し、日常生活へとつなげていく儀式。伝統的な日本の夏祭りもいいけれど、地域の祭りの役割も大きい。大きな祭りと違い、地域の祭りは、何もかもが手作りだ。いわゆる、プロの屋台の人たちもおらず、祭りに関わる人達が手分けして出店を担当する。祭りの場を提供する側と参加する側が一緒になって、「祭り」を作り上げていく。「伝統」という言葉になじみの薄い北海道ならではのスタイルなのかもしれない。
605号室「チムチム」のグリーンカレー
space1-15の入口にも手作り出店が space1-15の夏祭りでは、食品の材料はすべて近くの商店の品物を使っている。さらには、同じマンションに住む人たちが、料理作りに参加したり、はたまた、急遽ごはんが足りない!ということで、炊飯器提供の場面も。
最後に、space1-15が店を出しているマンションの住人のおひとりからのコメント。
「私、今日、整体で体のこりをほぐして、ハーブティーでほっと一息。それから、紫外線でダメージを受けた肌用に化粧水を調合してもらって、最後にビールとグリーンカレーでしめる!」
なんと、夏バテ回復フルコースなのであった。