北の大地への旅路の果ての出会いは、海の幸でいいのか!?


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桜と梅が咲き乱れる円山公園はお花見のメッカ

ゴールデンウィーク明けにようやく(!!)札幌ではソメイヨシノの開花宣言。
「やっと!アウトドアライフをエンジョイできる」とばかりに、"梅と桜"が同時に咲き乱れる公園でジンギスカン(これぞ北海道流!)を囲む地元民はさておき、花が咲き誇る美しい春を迎えた北の大地へ訪れる観光客の姿も目立ってきた。

そんな観光客のお目当てというか、最大の楽しみは、この大地が育んだ自然の恵みを思う存分お腹に納めることではないだろうか。それが、地元で水揚げされた"海の幸"たちであれば、申し分ないはず。


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約71軒が通りに立ち並ぶ

地元の"食"を堪能するなら、地元の"市場"を訪れるのが手っ取り早く、間違いない。
その"定番プレイス"が札幌では今、二条市場から中央卸売場外市場へとシフトしている。
地元民的には意外に行く機会がなかったなかで、「市場で地元の美味しいもの食べて、お土産も買いたい!」という"定番リクエスト"に応えるべく、東京からの客人を連れて初体験を果たした「札幌市中央卸売場外市場」。
そこは、最近は札幌中心部のホテルから無料送迎バスも出ているほどで、中国などのアジア人観光客も訪れる観光スポットになっていた(ただし、『彼らは蟹たちの写真だけ撮って、後はちょこっとお菓子を買う程度で利益にはつながらない』と海鮮物屋さんはちょっと悲しい表情を浮かべていたが…)。



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海鮮物を扱う店の一軒でふと足が止まる


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水槽を覗き込むと、名前付きの蟹たちの姿が!

約71店舗が軒を並べる通りをそぞろ歩きしていると……
ん?井上さん?その隣は佐々木さん?
足に名前を貼り付けた蟹さんたちが水槽の中で動いているではありませんか!
思わず足を止めて水槽を覗き込んでしまったところに、すかさずお店の人が歩み寄り、「蟹って、賞味期限ないでしょ!」……はぁ、言われてみれば確かに……。ズワイ蟹の試食を差し出しつつ(ここはウニ、いくら、蟹、メロンなど、試食が思う存分堪能できることでも人気のスポットなのだ)、店員さんの自信に満ちた蟹解説は続く。
「売っている茹で蟹を見ても、今日茹でたのか1週間前に茹でたのか、お客さんにはわかんないっしょ(←北海道弁)。『安くしておきますよ?』なんて言う蟹は茹でてから時間が経ったものだね。気をつけた方がいいよ?」と、
この店では鮮度を保証する意味で、お客さんに蟹を選んでもらって名前を貼り、希望に合わせて茹でてから発送するのだそうな。
そう、私が目撃した「井上さん」は、どこぞの井上さんに選ばれ、茹で上げられるのを待っている毛蟹さんだったのだ。


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思わぬ戦利品ににっこり

すっかり観光客気分でご試食を重ね、「やっぱり、海の幸を享受してこそ北の大地へはるばる来た甲斐があるっていうもの」という結論に達しつつ、中通りにそれてみる。
ん、こんなところにも!?
目に留まったものは、白いたい焼き屋さん。
中心地だけを移動していると気づかないだろうが、実はこの札幌市内、ホントにこれでもか!と言いたいくらい、至るところで目にするのがスープカレー屋さんとたい焼き屋さんなのだ。
(ちなみに、この場外市場にもあるよ?、スープカレー屋さん)
タピオカ粉を使うことで白くモチモチっとした触感を出す白い皮のたい焼きは北海道発祥ではないが(発祥については大分、福岡、神奈川……諸説あり)、ひところは薄皮たい焼きと並んで「札幌たい焼きブーム」の一角を占めていた。


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北の大地への旅路の果ては、やっぱり……これでしょ!

海鮮物試食に飽きてきた矢先の甘味発見に、「"鯛"焼きだもの、これも"海の幸"と言えるよね」と苦しい言い訳付きで、店内へ。たい焼きの基本である小倉アンのたい焼きを購入し店を出ようとして、またも足が止まる。
「たい焼きの"みみ"です。ご自由にお持ち帰りください」。

みみをつまみつつの帰途で、想いは完結。
はるかなる旅路の果てで旅人を癒すのは、「食」だ!

【札幌市中央卸売 場外市場】 http://www.jyogaiichiba.com