「なんと(710)大きな平城京!」
日本最初の首都として710年に誕生した奈良の都、平城京。学生時に日本史の年号をゴロ合わせで一生懸命覚えた記憶がよみがえります。そのころから約20年……以上経った今でも年号を忘れていないことに喜びを覚えつつ、「平城遷都1300年祭」で奈良時代にタイムスリップしてきました。
朱雀門から大極殿までは約800メートルもあります
大極殿は約10年かけて復元されました
今年は平城遷都1300年ということで奈良各地でイベントが行なわれ、メイン会場である平城宮跡では朱雀門や第一次大極殿がみごとに復原。戦後から続く平城宮跡の保存活動や地道な発掘調査のおかげで建物の規模が判明し、現代に復原することができたのですね。その壮大さに歴史ファンならずとも一目見てみたい!と、多くの人が訪れています。
大極殿は平城宮の正門だった朱雀門から約800メートルの所にそびえ立っています。大極殿へと続く花壇には季節の花が植えられ、周辺は山に囲まれて見晴らし抜群。時間がゆっくり流れていて、まるで奈良時代にいるかのよう(無理やり?)。大極殿は正面約44メートル、高さ27メートルと大きく、屋根瓦を約9万7000枚使用したのだとか。天皇の即位式や外国使節の歓迎儀式など、国のもっとも重要な儀式はこちらで行なわれ、当時の天皇が使われた玉座の実物大模型がドーンと置かれています。
復原された遣唐使船。
この大きさの船に当時は約100〜150人が
乗っていたのだとか
同時代の建築物を参考に専門家たちによって約10年かけて復原された大極殿。昔の資料が残っていないという中での復原はかなりの苦労があったはず。大極殿に入った瞬間、「これは圧巻! 一体どれぐらいの費用がかかっているんやろ(お金の話ですみません……)」と友人と話していると、近くにいた歴史大好きというおじさまが「工事の総事業費用には180億円かかったんや」と言って、奈良の歴史についても詳しく教えてくださいました。会場周辺には解説ボランティアの皆さんもいて、奈良の歴史について教えてもらえるので見学しながら勉強もできちゃいます。
「えっ!これがあの遣唐使船?」
全長30メートル、原寸大に復原された遣唐使船は私が想像していたよりも小さく、この船に約100人が乗り込んで唐の文化や仏教を日本に伝えるべく命をかけて荒波を渡っていたのだと思うと、先人たちへの感謝の気持ちがあふれ出てきました。
こちらは人形ですが、本物のせんとくんは愛嬌たっぷりです
奈良公園の鹿たちは、鹿せんべいに飽きているようです……
当時の天皇が使われたという玉座「高御座」の実物大模型
さて、奈良に来て私がどうしても会いたかった人! それは遷都1300年のマスコットキャラクター、せんとくん。ゆるキャラブームで登場してきたほかの可愛いマスコットとは一線を画し……。童子に鹿の角が頭から生えていて発表当時はいろいろと物議をかもしたせんとくんも、今ではガールフレンド候補まで登場して大人気。各イベント会場でアイドル的存在のせんとくんには会えなかったのでまたリベンジするとして、遷都1300年を機に遠い昔に思いを馳せ、少しだけですが歴史を紐解き身も心もリラックスすることができました。
※会期は12月31日まで(平城宮跡会場は11月7日まで)。