夏が近づき、人々が好んで外出するようになるころ、アイルランドの各地では大小さまざまなお祭りイベントが目白押しとなる。
その中で私が楽しみにしているのは、毎年5月初めの連休に隣町で行なわれている『リバーフェスト』。
川沿いにある街なだけあり、フェスティバルでは悠々と流れる川のほとりに市場が出たり、音楽やダンス、芸術関連のアートイベントが開催されたり、夜にはささやかながら花火が上がったり…とにぎやかだ。
アイリッシュチョコレートの
屋台をのぞいてみました
中でもいちばんのハイライトは国対抗の『BBQコンテスト』。その名のとおり、世界各国のお国自慢料理をグリル上で対決するというもので、昨年は100カ国ほども参加するほどであったが、今年はなんと急遽中止というニュースが耳に入った。昨今の大不況などによる調達資金不足ということである…無念! その代わり、毎年出ているフレンチマーケットに加え、ほかのヨーロッパの国々からも屋台がいろいろと出るらしい――そんな話を聞きつけたため、さっそくヨーロッパのおいしいものたちをつまみぐいするべく、フェスティバルへ出かけた。
日本のお祭りのごとく露店や屋台がたくさん出ているリバーサイドへ。もうすでに、いろいろないい香りがしてきている。
こちらはスイス屋台
恒例のフレンチマーケットでは、フランスからのチーズやパン、そして宝石箱をひっくり返したようにカラフルなお菓子やケーキなどの屋台がところ狭しと並び、道行く人々を魅了している。何からトライするべきか悩んでいると、あちこちの屋台から「オイシイヨ〜、チョット食べてみてョ!」と強いフランス語訛りの英語が背後から追いかけてくる。う〜ん、まだもうちょっと店のチェックしてからの我慢!と、はやる胃袋をなだめつつ、さらに屋台や露店の並ぶ通りをぶらぶら歩いていく。
すると、今度はベルギーワッフルの屋台やらドイツ料理の大きな屋台、それから手作りのアイリッシュチョコレートのお店、そしてスイス料理の屋台まで目に入ってきた。ついでに手作りのやや怪し気な…いや、“独創的”な寿司まで売られている。興味はあったが、ちょっと手にしただけでバラバラに分解しそうな寿司だったので今回は遠慮することに。
ワイルドにいただきましょう
『ソーセージ&野菜炒め入りバゲット』
はぁダメだ、こんなに食べる選択肢があったら、ますます何を食べるか決められない…。
そんなこんなで結局、大きめの屋台で売っていた『ソーセージ&野菜炒め入りバゲット』を買って食してみた。大きなソーセージと炒め野菜が、バゲットにぎゅうぎゅう押し込まれたかなりワイルドなものだったが、とても美味! これ一個で主な栄養素が全部摂取できるのも良い。
日本の祭りで出る屋台も大好きだが、こういうインターナショナルな屋台を歩くのも刺激があり、ワクワクの昼下がりであった。