【晩春は湖】西湖に魅せられて

昨年夏、6週間の中国語強化コースに参加した息子は、杭州の大学で英語の教授をしている女性の家にホームステイをしていました。彼は東京から中国入りしましたが、ひとりで両替所に行くと、見知らぬ窓口の若い男性から「そんなに長くいるんですか? とにかく無事に日本へ戻って来てくださいね」と真顔で心配されたらしいです。出発前から覚悟をしないといけないような雰囲気が漂うのも、マスメディアで日中の良好と言えない関係がひっきりなしに伝えられているからでしょうか?

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西湖を臨む。雄大な景色
最後の1週間は授業の終わり時間に余裕があるということで、思い切って私も中国入りを決めました。日本人ということで反日感情を本当に持たれるのか、とても心配でしたが、どうせインド服しか持っていないので、これなら国籍不明な人種に見えるだろうと楽観的に上海から汽車で南西約150kmに位置する杭州へ行きました。
杭州の西側には面積6.5平方km、“西湖十景”で有名な西湖があります。2011年にはユネスコの「世界文化遺産]に登録されている西湖、1万2000年前には浅瀬の入り江だったのに、年月とともに湖になったと言われています。また、“中国4大美女”である西施という女性が入水したことから「西施湖」、そして現在の「西湖」になったといういわれもあります。

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多くの観光客で賑わう
さすがに十景と言われるだけあって、みどころが満載でした。
1日目は息子と二人だけで散歩をしてゆっくりと大きな公園をまわりました。見たこともないような大きな蓮がびっしりと湖に浮かんでいます。まるで孫悟空が今にも空から舞い降りて来そうな、そんなワクワクしてしまうロケーションで思わずシャッターをたくさん切ってしまいます。ちなみに南栄時代は宮廷用の酒をつくるための醸造所だったらしいです。

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柳で有名な公園も
杭州では中国語しか通用しませんでしたが、通訳の息子がいてとても楽しめました。そして翌日はホームステイ先の先生と船へ。伝統的なお茶屋さんにも行き、中国茶を地元のひとのようにゆっくり味わいながらのんびりと湖の眺め最高の時間を過ごしました。日本からの客ということで、なんと3人分のお茶をお店からいただいてしまいました。

中国の人にとって杭州に住むのは憧れらしく、ナンバーワン観光地である西湖を散歩するのが地元の人々の日課だとか。周りの人々とは言葉が出来なくてもなんとか交流も出来ましたし、私はいまだ残った紙幣を両替していません。なぜならばもっとゆっくり杭州を回りたいからです。

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名物の観光船内で