道産子を喜色満面へ誘う「お花見ジンギスカン」

201305_banner.jpg いやぁ〜、今年はホント待たされました……。

2013年、札幌で桜の開花宣言が出されたのは5月13日。例年より約10日遅れてのこと。猛スピードで本州を駆け上がってきた桜前線だったのに、関東圏を通過してからは一気にスピードダウン!? 5月に入っても3月並みの気温に体を縮こませながら、同じように硬い蕾のままで開花待機状態の桜を眺めていた道産子たち……。

20130527_b.jpg
北海道神宮に隣接する円山公園では、
お花見シーズンのみ、火気使用OKの許可が出ます
あれぇ〜、さくらの特集は先月だったよね〜〜。

はい、お言葉ですが……桜の下で楽しむお花見こそ、長く厳しい冬を耐えてきた道産子たちにとっては、一大レジャーなのであります!!!……なので、「季節はずれ?」なんて見捨てず、道産子たちのレジャー満喫の顛末をご笑覧くださいね。

ではぁ?「お花見では何を“焼きます”か?」

この質問に何の疑問も抱かず答えるあなたは間違いなく道産子! もしくは道内居住歴あり! ですね。

北海道のお花見には絶対的にジンギスカンが欠かせません!
桜の花びらが舞うなかで、もくもくと立ち上がる煙に巻かれながらジンギスカン鍋を囲む楽しみ、幸せ……ジンギスカンのない花見なんて、バーベキューのないキャンプみたいなもんです。

20130527_a.jpg
子供のころは味付けマトンばっかりだったけど…最近は「生ラム」が人気
あっ、ちなみに、私の小中学生時代の野外活動(宿泊あり)の食事は、いつもジンギスカンでした。食材調達担当になった暁には、ワクワクしながらスーパーにジンギスカン用の羊肉(当時は味付きマトン肉が主流)を買いに行ったものです。もちろん、キャンプや海水浴など家族レジャーの時も、“焼肉”ではなく“ジンギスカン”でした。

そう、道産子のレジャー感覚に点火する必須アイテムは、ジンギスカンなのです。

20130527_c.jpg
お花見に合わせ、巷のスーパーでは「ジンギスカン」コーナーが
いつもより目立つようにディスプレイされます
一説によると、北海道では大正時代に初めて羊肉が食べられ、昭和に入り、日本中に化学繊維が普及したため、毛を刈るための羊が余ってしまい、食用に方向転換。昭和30年代には「味付き肉」や「タレ」を販売する会社が誕生。一般家庭にも急速にジンギスカンが広まり、このころからお花見とジンギスカンの深い絆も培われていったようです。

行楽シーズンの短い北海道。食の宝庫・北海道。自然豊かな北海道。そんな風土に育まれたジンギスカンは、道産子のレジャーには欠かせない“文化”なのです。