「卒業」の「食」の思い出ってあったかな……???
幼稚園、小学、中学、高校、そして大学と卒業はしたけれど、何か特別な卒業祝いの食べ物の記憶は…何も出てこない。
そんなはずはない……はず。
つい最近読破したばかりの『和菓子のアン』(著者:坂本司)を思い出す。デパ地下の和菓子店でバイトしている、ぽっちゃりだが洞察力抜群の女の子アンちゃん(名前が“杏”子なので)が主人公のほのぼの系ミステリーで、慶事や祝い事を四季折々に彩る日本の伝統食「和菓子」がミステリーを展開するアイテムとして登場。和菓子のひとつひとつがこんなに豊富なネタを持っていたのか!!!……と感動を覚えた作品。登場人物たちが和菓子を食するシーンに至っては「今すぐ和菓子屋さんへダッシュ!」という衝動にかられずにはいられなかった……あぁ………そんなことはさておき……。
私が無知なだけで、卒業を祝う伝統的な和菓子がきっとある……はず。
こんな時、ネット検索ってホント便利です。
キーワードを打ち込み「発見!」したのは、熨斗付きの白い箱に鎮座している「紅白饅頭」。そういえば、中学の卒業式あたりでもらったような……おぼろげな記憶。
なるほど「卒業」のお菓子といえばコレですね。
札幌の人気和菓子店『一久大福堂』の紅白大福(各115円)再び、ネットを活用……卒業式で紅白饅頭をもらったか、フェイスブック上で聞いてみる。
「小学から短大まですべての卒業式でもらった♪」というラッキーガールから、「一度ももらったことないよ」という人まで、特に地域性はなく、さまざま。「あれは学校ではなくPTAが用意するのよ〜」という知られざる(!?)情報も飛び込んできた。
何はともあれ、卒業祝いの食べ物にたどり着き、ほっと一安心。次は、久々に(!?)「紅白饅頭」ゲット大作戦に出る。その前に……豆知識も頭に入れておきましょうぞ。
「紅白はハレを意味し、祝いの席の紅白幕や紅白餅、紅白饅頭など縁起物に用いられている。これは、赤が赤ちゃんというように出生を意味し、白が死装束の色のように死や別れを意味するところから、人の一生を表すという説、または花嫁衣裳の色であるという説、あるいは日本では古来から赤飯を炊いて祝っていたことから赤飯の色であるという説、など、さまざまな説がある。なぜ「赤白」(音読みで「セキハク」)とせずに「紅白」とするかというと、「赤」を漢語に用いて「セキ」と音読みする場合、「赤裸々」「赤貧」などのように「裸」「むき出し」などの別の意味を持つためである。」(ウィキペディアより引用)……ふむふむ……。
賞味期限は当日というその日のつきたて餅の中には……
「白」にはこしあん、「紅」には白あんいよいよ「紅白饅頭を買おう!」と和菓子店を数件訪ねてみたが、「扱っておりません」とのつれないお返事……。考えてみれば、一般家庭でわざわざ紅白饅頭を用意するという風習はない……よね。
こうなりゃ〜「何でもいいから『紅白』の縁起物を!」と、それこそ、デパ地下食品街を隈なくチェック。
ありました! ありました!! 「紅白“餅”」を大福専門店でゲット!
おっと、「プレミアム紅白」限定販売の看板発見!
こんな「紅白」もありました。
北海道土産の定番人気店『六花亭』の限定商品「プレミアム紅白」(380円)これは、札幌大丸10周年記念の限定商品か……思いっきり洋菓子だけど、お祝いの「紅白」に変わりなし、ゲット!
こうして、特にお祝いすることはなくても、紅白のものを愛でながらいただく時の幸福感……「紅白」=「喜び・至福」の方程式は、我々日本人のDNAに深く刻まれているんですね、きっと。