「マクロビオティックをはじめたきっかけは?」
何故か私にはあまりそういう質問がされない。
それは自然とマクロビオティックライフを楽しんでいるからかな?
そう、だから違和感がないのかも!! と、勝手に思っています。
と、言いつつ今回はマクロビオティックとの関わりのお話をしたいと思います。
長年いたファッション業界にて、人と接しているうちに『心理』がとても気になるようになっていました。そんな時に出会ったのが、イギリス発祥のカラーセラピー『オーラソーマ』。
とても楽しく、充実した毎日を過ごせる仕事だったからこそ勢い良く駆け抜けてしまって、そろそろこのお仕事も卒業かな?って思っていたときに、色と心理の世界にどんどんと引き寄せられてしまいました。
深い知識を身につけようと、『色と食べ物について』というテーマについて調べていると、"陰陽五行"というキーワード、そしてそれが活かされている食事の「マクロビオティック」に繋がっていったのです。
ただ、いくら本で読んでもピンとこなかったので(笑)、ワンクールぐらい勉強しに行ってみよう!と、お気楽に行ったのが始まりでした。
スクールの中には、ご家族やご自身がアトピーや癌、婦人科系トラブルを抱えてという方が多くいました。いっぽう、予備知識がなく頭の中は「『陰陽五行』を勉強するぞ!」という気合だけの私との温度差を感じずにはいられませんでした(その時、マクロビオティックの勉強を病気治癒の目的でされる方もいらっしゃるんだということを知りました)。
そのころの私の食生活といえば、口を開けば肉! チョコレート! お酒! コーヒー! お米は太るから食べない、だったらお肉食べるもーん!
教室での実習の食事は、いつも物足りなく帰り道は迷わず寄り道。
でも、不思議なもので勉強すると実践もしたくなりました。
ちょっと意識的な食生活にしただけで、気がつくとそれまで鎮痛剤が手放せなかった生理痛が治まっていたのです。ここからは早かった! まるで"信者"のように食から動物性食材を一切排除して玄米菜食となっていったのです。ガサガサだった肌が潤いはじめ、今まで太ると信じて食べずにいたお米を食べても太らないことを知り、コーヒーやケーキを食べると唇の皮がめくれ、チョコレートを食べると心臓がバクバクすることを感じ、食べ物が体に与える影響を身をもって体験。
オーラソーマからマクロビオティックに自分の意識ももっと深いところへと進んでいったのです。マクロビオティックの勉強はどんどん次のステージへと進み、ある時、癌へのアプローチとしての食事法を3カ月実践してみました。外食はたとえば肉や魚を使わずに料理を作っていただくというのがとても難しかったり、ノンカフェインのお茶も飲めるお店もほとんど無かったり……。おむすびを持ってでかけても食べる公園さえない。お店は氾濫しているのに、とても悲しかったのを今でも覚えています。
人が人と向き合えるお店が少ないんだな?
命としての食べ物に対して、真剣に捉えているお店や料理人はどこにいるんだろう?
これが後々CAFEを通して伝えたいことなんだと気づくわけです。
話は戻りますが、
実践からまた元の玄米菜食へと戻っていくと、最初からこういう食事をしていればいいじゃない!となり、せっかく学んだり実践した知識だから“人に伝えたい” という気持ちが強く芽生え、料理教室をスタートいたしました。ファッション業界で働いていたからか、「お料理だって人様にご提供するには美しくあってほしいし、ワクワクしながら心も弾むようなものを用意したい」という意識が、スクールに通っている多くの人より強かったのを覚えています。こんな風になれたらいいな?って憧れられる人でいる『ビジュアル』の大切さ。
いらっしゃる人は、『マクロビオティック?????』という生徒さんばかり。
でも、体への負担が少なく健康的な食事を求めています!とは、声を揃えておっしゃっている。ただ、お伝えする立場になってから、よりいろいろな菜食のお店に足を運びましたが、なんだか全体的に質素な雰囲気が馴染めず、菜食者同士ならいいけど……と感じることも多々あり、一線が引かれた感があるのも疑問になりました。
そんなときに出会ったのが現在久留米で古民家レストラン『紅い櫨の庵』で腕をふるっておられる平田優シェフ。もともとフレンチのシェフでいらしたので、作るお料理は美しい! そして美味しい!
やっぱり、お料理やお食事は楽しくなくちゃ! シェフとの出会いはマクロビオティックを伝える意味をより明確にしてくれたのです。
それによってすっかり、私の中では華やかなマクロビオティック料理が定着し、それを表現する場を求めていました。その時出会ったのが合同展示会KIRAKIRA TOKYO主催者のRUKUSさん。
キッチン併設のギャラリーでファッションやアート、ジュエリーなどと同じ出展者としての展示会参加は、新鮮で嬉しく、ファッション業界に居た私には幸せな空間でした。
クリエイティブなお仕事をしている人の食には過剰なエネルギーを入れたくないことや、食に気をつけている人が多かったり、外国人のゲストが多かったので、それが当然だったり。華やかなこの会場で、マクロビオティックは季節を感じて、旬を楽しんで、自然と調和して人間としての本来もっている感覚を大切に生きること。
そのことを改めて知る “きっかけ” になったのです。
そんななか、『お店やらないの?』とか『お店どこ?』とか、ありがたいお言葉をいただいたりすることが多くなって…。
ある日、『父の会席蕎麦屋の定休日にお店やったら?』と母からの提案があり、私がマクロビオティックを伝えるチャンスをもらった『KIRAKIRA TOKYO』の名前から『CAFE KIRAKIRA』がスタートしたのです。