勝手に読書録

見えない力

筆者が2015年7月に開催された全米障害者クライミング選手権視覚障害者男子部門を他を寄せ付けない強さで制したことは記憶に新しい。本書はNPO法人モンキーマジックの代表理事でもある筆者の来し方が綴られて...

見えない壁だって、越えられる。

ある日突然「将来失明する可能性が高い」と告知され、目が見えなくなることで、できなくなってしまうことばかり考えていた、今は視覚障害のフリークライミング世界チャンピオンでもある作者が、クライミングとの出...

ギャンブルだけで世界6周

asobistの旅塾コーナーでおなじみのプロギャンブラーのぶきさん。 検索「ギャンブラー」で、上位を独占するのぶきさんが、勝負&旅のエッセイ本を出版しました。 タイトルは、『ギャンブルだけで世界6周...

アクアマリンの神殿

楽しく読めましたとも!本作の刊行告知を聞くが早いか、高鳴る胸を抑えつつ某アマ○ンで先行予約のボタン、ボチッとしておいた本作が届いたのである。わくわくの高まり如何ばかりか、そこから空想域を共有いただきた...

白夜街道

日露を股にかけた舞台設定とくれば、単に刑事ごとではなく、公安テリトリーになりそう、とは読者も承知。それに倉島警部補は公安だしね。「曙光の街」を読了したら間髪入れず本作を手に取るべし。頭の中で気持ちいい...

曙光の街

"ボディーガード工藤兵悟シリーズ4"を読めば、必ず本作に手が伸びると言った。だが、作品歴から言えば、本作のほうが早い訳で、既読の向きにはもったいつけてつべこべ能書きたれるなどチャン...

白ゆき姫殺人事件

原作のみならず映画化作品も大ヒットの『告白 』、連続ドラマとなった『夜行観覧車 』などで知られる著者の作品で、今春映画化もされたのがこの『白ゆき姫殺人事件』。ある地方都市の化粧品会社「日の出化粧品」の...

デッドエンド―ボディーガード工藤兵悟4

本シリーズ1から3、いずれもこの上なく面白かったが、4はまた、それらと並び立つ、いや恐らくそれらを凌駕する面白さだ。 1から3と比するに「ボディーガードもの」は「諜報もの」の色彩を濃くし、それが故に...

バトル・ダーク―ボディーガード工藤兵悟3

『ナイトランナー』、『チェイス・ゲーム』に続いて、本シリーズ3作目。ここへ来て、シリーズは果たして「ミステリー」という仕分で、正しくカテゴライズし得ているのかという疑問が生じる。まあ、警察ものでは断じ...

チェイス・ゲーム―ボディーガード工藤兵悟2

シリーズ1の『ナイトランナー』が罰金ものにオーバースピードだったから、少し息がつける感がある。「逃げる」より「追う」ほうがゆっくりになるのは当然と言えばそうなんだろうが、それもまた今野さんの計算かもし...

ナイトランナー―ボディーガード工藤兵悟1

さて、文庫本268ページと1行の距離感をすっかり見失なってしまって読み終えるが、読後感は案外、悪くない。強い酒を勢いに任せて一気に飲み下したが、その割にむせ返りもせず、かといって最後の一滴を啜った直後...

まおゆう魔王勇者

「『“悪”の秘密結社』などと、ともすれば“悪”と自称までしてしまう人たちだとしても、彼らから見たらライダーやら戦隊やらのほうが“悪&rdq...

ガンコロリン

表題の「ガンコロリン」他5篇の短編作品からなる一冊。いずれも2010年から2013年にかけて「小説新潮」や「小説現代」に掲載されたものをまとめたものだ。 切れ味のよい短編なればこそ、却って著者の「...

カレイドスコープの箱庭

悪気がないとも言い難い、ちっぽけではあるが立派な不正。おバカでエゴな悪ふざけ……言いたてれば、すなわち「なんだかな〜」な事件の顛末。 早いうちから、事のなんたるかが読み解...

おねえちゃんって、もうたいへん!

1行目からドキッ!何気ない主人公の最初の発言なんだが、誰でもえぐられる。いとうみく3作目読了!著者の子供に注がれる視線。歯に衣着せぬ真っ直ぐさだ。「親があっても子は育つ! 下手な親ならない方がましだが...

糸子の体重計

「かあちゃん取扱説明書」に続いて作、絵ともに同一の手になる作。これもまた、かあちゃん、とおちゃんカテゴリーの人のみならず、大人に読んでもらいたい。ストーリーの中心にいるのは小学校高学年(少なくとも中学...

かあちゃん取扱説明書

本書を孫の本棚の隅に見つけて、思わず手に取った。「もらった図書券でボクが買ったんだ」「ばあば、持ってって読んでもいいよ」お言葉に甘えて借りてきて読んだ。かあちゃんのトリセツ。小学校4年生の子どもの心を...

ホテルローヤル

編まれた七話は、書き下ろしの第二話を除いて一話ずつ「小説すばる」に掲載されたもの。第一話は原題が「ホテルローヤル」だったのを後に「シャッターチャンス」に改題したとか。発表当初は以後の七話連作を意識して...

教場

とにかく吾輩はご機嫌である。本書は大層、面白かった。より何より「面白い」と思った作品の著者作を手にするのが本作が最初であり、ということはつまり、これから面白い作品に山盛りで会える可能性が大だということ...

極北ラプソディ

うむ。登場するのは「知った」人物ばかりなんだが。表題から推して知れるように「極北クレーマー」のコンティニューには違いないが、意外なところで「モルフェウスの眠り」よりは前だとわかり、「ジェネラルルージ...