定番、雷門
上海より友人夫妻が日本にやってきた。
フランス人男性+中国人女性というカップルで、互いの家を行き来しては、お国の料理を披露し合った仲である。
さて、どうもてなしてくれようか?
日本は初めてだという彼らを連れて行ったの観光の定番、浅草寺と仲見世通り。ひとしきりお土産屋を冷やかした後、もんじゃ焼の「六文銭」にお邪魔した。
余談だが中国では、もんじゃ焼は文字焼(wen2zi4shao1)と呼ばれ、日本に旅行するなら必ず食べるべき物だ、と人気があるらしい。
独特な焼き方も面白いし、エンターテイメント性溢れる料理だと思う。
と、もんじゃを焼く外国人に興味を持ったお母さん集団に話しかけられ、国際交流が始まった!
オ―! コレガモンジャデスネー
まず友人達が注目したのが、お母さん集団が飲んでいたラムネ。
瓶の中に何故ビー玉が入っているのか、気になるらしい。それに気が付いたお母さん方が、おもむろに瓶を傾けビー玉のからくりを説明してくれる。
「面白い! ぜひその瓶を譲ってほしい!」と、友人たちは大興奮。これこれ、無理を言うでないと追加注文するべく、店員を呼んだ。
膝を折り、低い位置から見上げるようにして注文を取る店員に、彼らはびっくり。
「なぜ日本の店員はあんなに低姿勢なんだ?」
ふふ、よくぞ聞いてくれた。
「日本では、お客様は神様なのだ。だから敬意をもって注文を取るのだ。」
ともったいぶって答えておいたが、こんな説明で合っていただろうか?
デザートには、クレープ状の皮にあんこを挟んで焼くあんこ巻きを頼んだのだが、私たちが頼んだのはチーズ入り。お母さん集団のはあんず入り。
それを見て友人が一言。
「これ、あの人達と半分こできないかなぁ?」
むむむ、なんてことを言い出すのだ。日本人の感覚だと恥ずかしくて言い出せないが、積極的に楽しもうとする姿勢が素晴らしい。
お母さん方に声をかけてみたところ、あありがたいことに快諾してもらえた。首尾よく2種類のあんこ巻きを手に入れた友人は、たいそうご満悦の様子で何より。
私もお相伴に預かったが、お母さん方のご好意は大変美味しかった。
ラムネの秘密を知ってご満悦
余は満足アルね
普段は当たり前すぎて疑問を持たないことが、外国人である友人たちの目を通すことで「なぜそうなのか?」と、新鮮に見えてくる。
また、そんな彼らと一緒にいると周りとの交流も生まれ、いっそう楽しい。
そんな瞬間が楽しくて、ついいろんな物を見せたくなってしまう。
次は誰に、どんな物を見せてみようか?