親切なパイ屋さんとの出会いの始まり、店先の看板犬
先日、母娘旅で初めて訪れた韓国でのひとコマ。
現地滞在時間45時間という限られた時間だったため、事前のリサーチは念入り、そして過密なスケジュールとなったことは言うまでもない。
旅の目的はとにかく食べる! 韓飯。そしてちょこっと観光。
丸1日動ける唯一のその日は、朝8時にホテルを出発し、時間短縮のためタクシーでまず向かった『景福宮』。一通り見学し、近くのカフェで腹ごしらえをした私たちは、韓国の昔ながらの街並みが見られるという北村韓屋村散策へ繰り出す予定。
持っていた地図は通りの名前が日本語で書かれていて、おかげで読むことは容易だが、現地でハングルで書かれている通りの名前とリンクさせるのはなかなかの至難の技。
カフェの店員さんに地図を指差し教えてもらう。……が、曲がる目印のポスト(と言われた気がする)が見当たらない。
勘を働かせ、曲がった先は行き止まり。
自らガイドをかって出てくれ
ズンズン進んでいくパイ屋のご主人
しかし幸運にも(?)、その行き止まりの先は美味しそうなパイのお店だった。
看板犬らしきシェルティくんがしっぽを振っている。
一瞬、自分たちが迷子になっていることを忘れ、ワンちゃんと戯れ、写真を撮らせてもらい、「試食デス」と勧められ全種類のパイの味見をさせていただいた。ひとときそこでくつろぎ、いざ北村へ。行かねばならぬ、北村へ。
昔ながらの韓国の
伝統家屋が建ち並ぶ
再び地図とにらめっこをする。すかさずパイ屋のご主人(日本語も少しOK)、「そこへの道筋はわかりづらいから案内するよ!」と自らガイドを買って出てくれた。
曲がり角までと思いきや、韓屋のある場所までいっしょに行ってくれるようだ。
お店にお客さんはいなかったものの、お店を開けっ放しにして見ず知らずの外国人をガイドしてくださるなんて、申し訳なさすぎる。なんて優しいの〜! 感激もひとしお。確かにガイドブックにも『韓国の人は親切に道案内をしてくれる!』と記載されていたが、想像以上だ。
目的地までの道のりはそう遠くはないけれど、確かにわかりづらい。
軒下に吊下がっている外灯は趣きあり
軒先の鉢植えもなんだか絵になる
そして急な坂と階段のオンパレード。そう若くはない母の足腰にはちょっときついようで、ギブアップサインを出している(私も息切れ気味)。が、パイ屋のご主人は素敵な韓屋を日本人観光客の私たちに見せてあげたいという思いが強いらしく、どんどん前へ進んでいく。そのご好意に頑張ってついて行った。
いや、ついて行ってよかった。フォトジェニックな場所が随所にあって、異国情緒たっぷりの街並みに歓を尽くした。
ご主人に深々とお礼をしお別れ。こんな出会いを噛みしめつつ、パイを購入しなかったことに気づいて後悔(買ってないんかい!※編集部注)。写真もないし(ないんかい!※編集部注)。試食したパイの味、よく覚えてはいないけれどまろやかで優しい味だったはず(はずかい!※編集部注)。また訪れる機会があればぜひ、パイ食べに行きますから。
お金出して(当たり前じゃ!※編集部注)