西武線で航空公園駅へGO!
「よかったらウチの学祭に来てくださいよ」
友人のこんな一声で、防衛医大こと防衛医科大学校の学園祭に行くことになった。
“医大”という時点で充分凄いが、この学校は普通の大学とは一味違う。
6年間の規律溢れる寄宿生活を通じ、エリート自衛官を育て上げるこの学校は、一般人にとっては未知の領域である。
幸い私の家からは電車で一本。まだ見ぬ世界にワクワクしながら電車に揺られること数十分。所沢にある防衛医大の学校祭『並木祭』への潜入に成功した。
10月10、11日に行なわれた今年の目玉は、陸上自衛隊の炊飯車によるカレーの炊き出しと、体成分分析装置「Inbody 720」を用いた健康診断である(両方とも無料)。
まずは本日のメインイベント、カレー炊き出し体験から。
早々とカレー配給の列に並び、炊き出しの様子をつぶさに観察する。
この炊飯車一台で炊飯、調理をこなし、一度に200人分のカレーを賄うことができる。悪路にも強く、新潟中越地震の際には大活躍したとのことだ。
さて肝心のお味は……スパイスの風味がない、カレー風味のシチューといった感じ。ご飯も少々水気が多いが、なんだかいろいろと考えさせられる。
炊飯一号と、配給(?)を待つ人々
これが自衛隊カレーだ!
おそらくながら、スパイスを効かせていないのは老若男女を問わず食べてもらえるように、との気遣いから。ご飯の硬さについても、災害で疲弊しきった身心に負担をかけず、消化などに配慮されているため。何より災害に見舞われて途方にくれるなか、温かい料理は何よりの励ましとなるだろう。
作る人の思いと、食べる人の思い。
一杯のカレーから、いろんな人の思いが伝わってきたような気がした。
もうひとつの目玉、健康診断では装置に乗った後に足の裏、手の平、親指の先に接触した電極から微電流が流される。
待つこと数分、対内水分や体脂肪と筋肉の割合などが、赤裸々に弾き出される。
結果は……これを機にダイエットを兼ねて、定期的な運動をすることを決意した、とだけ言っておこう。
色も味も完璧“迷彩”の迷彩飴
また、帰り際に寄った購買部におもしろい物があった。その名も迷彩飴!
むむ、これは面妖な。ネタとして迷わず購入! 日ごろお世話になっている会社の先輩方に味見していただいたうえ、私も口に入れる……んんん? この味はっ。
緑と黒の迷彩カラーから抹茶味かと思いきや、サイダー味とは!
実にうまくカモフラージュされていた。さすが自衛隊。
ほかにもAED(自動体外式除細動器)の使い方を学んだり、屋外での簡易手術設備を見学したりで、普段めったにできない貴重な経験をさせてもらったと思う。
ただの学園祭と侮るなかれ。彼らの学祭は驚きと、発見に満ちていた。