シネマピア

渇き

おおかたのバンパイアものと言えば、ファンタジックだったりロマンチックだったり、はたまたホラー的要素が強かったり……と、「この世ならざる」側面を重点的に描いている作品がほと...

パレード

何ものにも表面と裏面がある。明るく太陽が照り返す名所でも、高く切り立つ崖ならば黒く濃い影を地面に落とすだろう。人間の心とて同様だ。背伸びして取り繕い、イイ人を“演じる”度合いが...

BANDAGE バンデイジ

何を隠そう、私もバンド経験がある。だからこそ、本作は実に生々しく胸に響いてきたのだ。 都内の高校に通う普通の女子高生は、ある日、友達からLANDSというバンドのCDをもらう。すっかりLANDSのファ...

フローズン・リバー

人間という生き物は、愚かな生き物だ。才気あふれる監督がその生き物をスクリーンに放り込み、その行動をじっとカメラに収めた結果、愚かさは一転、神聖なる輝きを放ち始める。 カナダとの国境に面する、ニューヨー...

ラブリーボーン

14歳で殺された女の子の物語……こう聞くと何かオドロオドロシイものを想像してしまうが、まったくそんなことはない。むしろその「死後の世界」は、文字どおり「この世のものとは思え...

Dr.パルナサスの鏡

本作の撮影半ば、28歳という若さで夭折したヒース・レジャー。訃報を聞いたトム・クルーズが代役を買って出るが、監督のテリー・ギリアムはその世界的スーパースターからの申し出を断ってしまったという。ヒース...

パーフェクト・ゲッタウェイ

ツンデレという言葉がある。普段の人前などではツンツンした態度を取っているが、二人っきりになるなどの状況下では正反対にデレデレと甘えてしまうといった意味の、アキバ系のインターネットスラング。いまは多少...

おとうと

「家族」という、切っても切れない絆。国民的大スター“寅さん”を生み出した山田洋次監督が、どうしようもなく情けなく憎たらしく、でも憎めないキャラクターを創ってくれた。 東京の...

フォース・カインド

まず最初に申し上げておきたいことがあるのだが、通常、映画の宣伝とはネタバレを防ぎたがるものである。観る前から結末や内容がわかってしまっては、謎解きやインパクト等の面白みが半減するからだ。本作も例に漏れ...

インフォーマント!

『オーシャンズ』シリーズのスティーブン・ソダーバーグ×マット・デイモンのゴールデン・タッグと聞けば、映画マニアとしてはもういても立ってもいられない。そしてその期待に違わぬような傑作がまたひ...

トワイライト・サーガ ニュームーン

“冬ソナ”にハマるのがオバ様たちなら、10代〜20代を中心としたまさに青春真っ盛りの女の子たちの心を鷲づかみにし、日本も含め全世界でメガヒットを記録したのが前作の『トワイ...

ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない

某巨大掲示板から派生して書籍化され、そして映画化もされて話題になった……といえば、ごぞんじ『電車男』。そしてまたまた、とんでもなく“面白い”作品が...

つむじ風食堂の夜

「食堂」という響きには、何やら懐かしいものがある。味を突き詰めたレストランでも、時間を切り売りするファストフードでもない、食堂。某チェーン店のように、チケットを買って席で待ち、店員と口をきかずに料理を...

ピリペンコさんの手づくり潜水艦

ときは現代ウクライナの寒村。退役軍人として年金で暮らすピリペンコさん(62)。彼は自作の潜水艦を作って黒海に潜ることを夢見て、貯めた年金を切り崩し、古い部品を集めては30年間も潜水艦作りにふける。家族...

母なる証明

げに恐ろしい物語である。この秋に1本だけ映画を観るとするならば、迷わず本作を選んでいただきたい。『ユージュアル・サスペクツ』や『隣人は静かに笑う』、『セブン』等々、名作と言われてきた数々の作品を遥か...

副王家の一族

血は争えない、とはよく言ったものだ。先のレビューでは、貧乏な家庭において子の無実を信じて奔走する母を驚愕の切り口で描いた『母なる証明』(リンクは左下からどうぞ)を紹介させていただいた。一転して本作『副...

わたし出すわ

森田芳光という監督は、個人的な意見ではあるけれど、作品を観客にぶん投げる、ということをしてるんじゃないかってときどき思う。なんか会話の途中を千切ったような残尿感のあるタイトルもそうだけど、映画ですべて...

バタフライ・エフェクト3/最後の選択

過去に戻れる能力を持った男が、現実の悲惨な状況を回避するために次々と過去を変えるといった設定の『バタフライ・エフェクト』。シリーズ1、2と続き、3作目となったのが本作である。2で1との違いに唖然とした...

ホースメン

『アルマゲドン』や『トランスフォーマー』で監督を務め、その手腕を発揮してきたマイケル・ベイが製作に携わり、そしてアジアンビューティーといえば真っ先にこの人を思い出す、あのチャン・ツィイーが主演。音楽...

エスター

秋はサスペンスやホラーがよく似合う季節だ。夏ほど子供っぽく、お化け屋敷じみていなく、かといって冬のように聖なる雰囲気というほどでもなく、春のように新たな希望があるというわけでもない。読書の秋ともいうよ...