登場する写真は、それはそれは時代を切り取ったものばかりが揃っている。 本書は2010年12月1日から31日まで『スポーツニッポン』紙上にて連載されたコラム「我が道」をまとめたものだ。
篠山紀信といえば、私たちの世代において写真家としての第一人者。なかでも特に印象に残っているものは雑誌『GORO』での作品たち。この作品で使い始めたのが流行語にもなった「激写」という言葉で、山口百恵や松田聖子など数々の芸能人と素人をモデルにした一連の激写シリーズは、78年に写真集『大激写 135人の女ともだち』となりベストセラーになった。また、ジョン・レノンの『ダブル・ファンタジー』のジャケット撮影はあまりにも有名。
本書は彼の時代的写真をまとめたのものでもある。
山口百恵、中村勘三郎、ジョンレノン、三島由紀夫、中村裕太、尾上菊之助、AKB48、板東玉三郎、野田英樹、宮沢りえ、さらにはダライ・ラマなど貴重な写真が満載である。さすがは、第一人者! 時代を動かした人物ばかりの登場である。当時の撮影エピソードなどコラムもとても興味深く、その時代を感じることができる。篠山紀信ファン、登場する人物のファン、そして写真という時代に興味のある方にお薦めの一冊である。
★おまけ!
私の好きな篠山紀信撮影の山口百恵レコードジャケット
ひと夏の経験
冬の色
愛の嵐
愛染橋
……しかし、やっぱりいちばんはアルバム『曼珠沙華』でしょうか!
作者名:篠山 紀信
ジャンル:写真集
出版:講談社