シャコに要注意?――”シャコの逆襲”はもしやトイレで……

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これを食材と言っていいのか……
なんとも恐ろしい姿である。この外見は並じゃない。この魚を初めて食べてみようとした人の勇気に敬意を表したい。実際シャコは、全身が武器だらけと言ってもよいような動物。肉食性で、他の甲殻類や小魚などを捕食する。

非常に貪欲で、補脚肢をカマキリのカマのようにして、相手を捕獲し、鋭いトゲでがっちりと捕獲する。飼育されていた水槽をたたき割って破壊してしまったという例もある。また誤って触ってしまい、指をちぎり飛ばされるなどの怪我をすることもあるとか。英語ではカマキリエビ(mantis shrimp)という意味。まさに、名前の通りである。

ああ、「カマキリエビ」まで食に取り込んでしまう人間の食欲の恐ろしさよ。

シャコは本来、北海道以南の温かい海の内湾や内海の砂泥底に生息する。旬は産卵期である春から初夏。小樽では、なんと、春と秋の2シーズン、旬のシャコを楽しめるのだ。小樽の秋シャコ漁が10月15日に解禁となり、まさに今新鮮なシャコが市内各市場に出回っている。市内では、漁業許可を得ている約80人の漁師たちが、水深14?15メートルの海底で刺し網を使ってシャコを漁獲している。シャコは、シケて海が荒れて巣穴が埋まると、砂をかきわけて海中に出て餌を取る。この時に仕掛けた網に引っ掛かり、漁獲することができるそうだ。

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人間の技の極みを垣間見る
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「カマキリエビ」和食の真髄に仕立て上げられる
今年の秋のシャコ漁は、12月10日まで。小樽市ではなかなか手に入りにくい小樽産のシャコの知名度アップとブランド化を目指している。11月20日、21日には「第二回小樽産しゃこ祭り」が、11月20日から23日には「しゃこ料理フェア」が開催された。

期間限定・小樽産シャコの味楽御膳をいただく。しゃこ真丈の雲丹焼き、しゃこと野菜の西京味噌グラタン、しゃことキノコの炊き込みご飯セイロ蒸し、そして殻付きしゃこの味噌仕立て。あの恐ろしい姿がこんなに上品になっていいのか?

ああ、「カマキリエビ」を日本食の真髄味噌汁に仕立て上げてしまう人間の技の素晴らしさよ。
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シャコの逆襲に要注意
ところで、シャコをいただいた和食店で、座敷の個室を出てトイレはどこかしら?ときょろきょろ。爽やかな笑顔の男性店員が近づいてきて、
「お客様、お手洗いはこちらでございます」
と親切にも案内してくれた。そして彼はトイレのドアの前でこう言ったのだった。
「お客様、お気をつけていってらっしゃいませ」
思わず私も慇懃なお辞儀を返したのだが、この場合、私はいったい何に気をつければよかったのだろうか? やっぱり、あの恐ろしいシャコの“逆襲”に注意せよ、ということだったのだろうか??