11月のある日、ペルーの古都ハウハという町の郊外にある「Laguna de Paca(パカ湖)」に遊びに行った。ハウハでの交通手段はモトタクシー(オート三輪)がメイン。町の広場には客待ちのモトタクシーがずらりと並んでおり、事前に値段交渉をして乗り込むシステムだ。私たちの乗ったモトタクシーは今にもエンジンが止まってしまいそうなボロ車で、途中の坂道では登りきれるのかと心配になったが、十数分後なんとか無事パカ湖に到着することができた。
ハウハの町を縦横無尽に走るモトタクシー
美しいパカ湖には、「恋人たちの島」
と呼ばれる浮島がある
30cmはある大きなトゥルーチャは、
肉厚で美味!
この湖は、地元ケチュア語で「cori paca(コリ・パカ)」とも呼ばれている。コリ=黄金、パカ=隠されたという名の通り、ここにはインカ帝国の黄金が沈められているという伝説があるそうだ。この日はあいにくの曇り空だったが、雲の合間からときおり差し込む日差しがきらきらと湖面を輝かせていた。たとえ黄金伝説がなくとも「もしやこの湖の底には金銀財宝が……」と思ってしまうのは、何も不思議なことではない。
パカ湖の周囲にはレストランがたくさんあり、美味しいトゥルーチャ(マス)が食べられると評判だ。我々も早速トゥルーチャのフライとシンプルなソテー、クイ(テンジクネズミ)料理、スープを注文。お皿からはみ出したトゥルーチャのソテーは川魚特有の臭みもなく、さっぱりしてとても美味しい。
手前はトゥルーチャのフライ、
奥はクイ。口を開けた姿が生々しい……
半身に切って揚げたクイにゆで卵を乗せるというなんとも斬新な盛り付けには、ちょっと笑ってしまった。秋の(いや、ペルーは春なのだが)行楽の楽しみである自然いっぱいの美しい風景と美味しい食事を堪能しながら、湖畔でのひとときをのんびり過ごしたのだった。
そうそう、トゥルーチャ料理で有名なパカ湖だが、もうひとつ名物料理があるそうだ。それはカエル!
レストランのあちこちに飾られていた
カエル型の植木鉢
このあたりではカエルをスープにして食べるらしい。
中華のカエル料理は知っているが、ペルーのカエル料理は一体どんな味なのだろう? レストランのメニューには載っていなかったが、今は旬ではないのだろうか? それとも祭りなど特別な時にだけ食べるのだろうか?
と、そんなことを考えながら目の前にあったカエル型の植木鉢に目をやると、赤い舌をぺろりと出したそのカエルが、なんだか笑ったように見えた。