ペルーのパルタ祭り


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未来のシェフたちが作ったパルタの創作料理。
どれも美味しそう!

先日、ペルーのパルタ生産農家の支援と国内消費の促進を目的とした「第一回パルタ祭り」がリマのセントロ(旧市街)で開催された。
「パルタ」とはこれ「アボカド」のことなのだが、ペルーではケチュア語由来であるパルタの呼び名で親しまれている。会場で貰ったパンフレットによると、ペルー人ひとり当たりの年間消費量は現在2.2kg。これを将来5kgまで伸ばそうと、パルタの高い栄養価を喧伝したり、パルタを使った料理の紹介やコンクール、展示即売などが行なわれたのだ。ちなみに世界一のパルタ生産国メキシコでのひとり当たりの年間消費量は9kg、日本はたったの350gだとか。しかしパルタは小さいものでもひとつ200gくらいある。日本人の消費量がそんなに少ないものかとも思うのだが、それだけ個人消費の差が激しい果物なのだろう。

霧雨の降る薄暗い日だったが、会場は大勢の人で賑わっていた。ちょうどパルタ料理コンクールの審査中で、市内料理学校の生徒による様々な創作パルタ料理が並べられていた。パルタといえばサラダか巻き寿司というイメージの私には、どれも興味深いものばかり。しかし見ているだけではお腹は膨れないと、さっそく会場に設置されたブースを回ることにした。



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こちらがパルタケーキ。見るからに微妙な色合いである


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パルタ・レジェーナ(パルタの詰め物サラダ)は
リマっ子も大好きな料理だ



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キロ当たり2.5ソーレス(約80円)。
さすがに産地直送は安い

パルタサラダにパルタスープなどいろいろあったが、私がいちばん気になったのはパルタケーキだ。甘いパルタとはどんな味だろうと、恐る恐る食べてみる。デコレーション用の鶯色をしたクリームは、微妙な甘さと味でなんとも表現のしようがない。パルタを練り込んでいるというスポンジ生地はしっとりしていてまあまあだったが、肝心のパルタの味はほとんどせず、どう評価していいのかわからない。店の人が明らかによい反応を期待している様子だったので、とりあえず「美味しい」と答えておいたが、内心「隣のサラダにしておけばよかった」と思ったのは言うまでもない。

次にパルタの販売ブースも覗いてみた。普段スーパーで目にするのは「フエルテ」と呼ばれる品種だが、他にも「セダ・フエルテ」「スーパーフエルテ」「ハス」「カリオカ」「リンダ」など初めて見る品種を含め10種類ほど売られていた。これぞまさにパルタとの出会いである。


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手前右から「フエルテ」「セダ・フエルテ」「カリオカ」、
後ろの2つが「ハス」。早く食べ比べてみたいものだ

おすすめはやはり定番のフエルテと、日本でも人気の品種・ハスらしい。私はフエルテとハス、そしてカリオカの3種類を購入。すると、「これも美味しいから食べてみなさい」とセダ・フエルテをおまけしてくれた。パルタ農家さん、どうもありがとう。私はパルタの優良消費者になることをここに誓います。

あれから数日。品種によって追熟に要する日数がずいぶん違うらしく、まだフエルテしか食べていないが、これは文句なく美味しかった。そして残りのパルタが順番に食べごろを迎えてくれるお陰で、私の新しいパルタを食べるという楽しみはまだ当分続きそうである。