へええ、これらが地元で楽しまれている典型的な朝食なんですか……って、イギリスの朝食といえば、卵、ベーコン、ソーセージ、焼きトマト、ハッシュドポテト、フライドオニオン、ベイクトビーンズなどを添えたイングリッシュ・ブレックファーストが知られているじゃないですか。でも、今回夫の故郷イギリスに帰省中(http://asobist.samplej.net/tokushu/tokushu-2/100727-b.php)にいただいた朝食は、どちらかというと日本ではあまり知られていない、でも英国の朝食としては典型的なメニューがちらほら。そんな朝食との出会いからふたコマ。
Kipperを買いにフィッシュマーケットへ
オレンジジュースとの組み合わせもかなりイケてましたひとつめは、キッパー(Kipper)と呼ばれるニシンを塩漬けにして燻製にしたもの。このキッパー、イギリスでは代表的な朝食メニューらしいです(が知りませんでしたよ)。塩漬けにしたニシンを燻製にしてあるくらいですから、ものすごく塩が効いていて魚油がみなぎっている。食べているとどうしても白ご飯がほしくなる。でもここはイギリス。キッパーをパンといただくんです。うう、口の中が脂っこ過ぎてしまう……と思った矢先に目に入ったのは、キッパーと一緒に運ばれてきたオレンジジュース。
魚にオレンジジュース……?
でもこれが妙に合うんです。フィッシュオイルとオレンジのフレッシュさが口の中でなんともいえない巧みな味を生み出すんです。西洋的な魚料理の組み合わせに意外な面白さを見つけた瞬間でもありました。
噂の“兵隊朝食”です二つ目はソールジャーと呼ばれる朝食。“Soldiers”って兵隊って意味ですよ。どんな危険な朝食なんでしょう? って、出てきたそれはエッグスタンドに立てられたボイルド・エッグと細長くカットされたトースト。見た目には安全そう。これ、正式名は“卵とソールジャー(Eggs with Soldiers)”と呼ばれ、細長くカットされて整列しているトーストが列になった兵隊を連想させるからソールジャーと呼ばれているんですって。朝から食べるものなんだから、もっと和む名前にしたらいいのに……と私ブツブツ。
このソールジャー、エッグスタンドに立てられた卵の上部をスプーンでコツコツたたいて切り取り、
この時期は21時半過ぎまで明るく(!)食事は外で少しスプーンで卵に穴を開け、中に見えてくる半熟卵に塩、こしょうをし、バターがたっぷり塗られたトースト・スティックをディップして食べるんです。ちなみに卵の黄身はかなりゆるめで、旦那いわく卵の茹で時間は4分が最適だとか。濃厚なとろりとした黄身とトーストにたっぷり塗られたバターとの絡みが絶妙でした。
イギリス、美味しいものけっこうあるじゃないですか、ってひとこと余計ですね。美味しい出会いをたくさんいただいた今回のイギリス滞在でした。
ごちそうさまでした。