カニ汁とラーメンで雨ニモ負ケズ――YOSAKOIソーラン

090824_01.jpg 8月半ばでも、夕方には気温が20度以下になり、薄手のカーディガンが必要になる札幌の夏。

2009年のYOSAKOIソーラン祭りは、残念ながら天候に恵まれなかった。降ったりやんだりの雨。気温も20度前後。しかし! そんな天候なんて、なんのその。雨ニモ負ケズ、北海道人たちはカッパを着用してビールを飲むのだった。開催地のひとつである大通公園では、YOSAKOIソーランチームのある市町村がブースを出店し、特色あふれる料理や各市町村の特産物を使った地域の名物料理を提供する。その中で今年一番売れたのが、カニ汁とラーメンだったそうである。雨ニモ寒サニモ負ケナイ北海道人は、カニ汁をツマミにビールのジョッキを傾ける。

YOSAKOIソーラン祭りは、高知のよさこい祭りを見て感動したひとりの学生の試みからスタートした。高知の地で、踊り子も見ている人たちも、そして街もすべてが一体となって楽しんでいる姿を見た彼は、北海道でも道民みんなが参加し楽しめるような大きな祭りの開催を思いつく。
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北海道の味覚が詰まった味噌ラーメン
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パワーみなぎるYOSAKOIソーラン!
翌年1992年6月に開催された第1回YOSAKOIソーラン祭りでは、参加チーム10チーム、参加者1000名。それが2008年第17回の開催時には、参加チーム3166チーム、参加者は3万3000名を記録した。北海道外からの参加のみならず、台湾チーム、日系ブラジル人チームなど海外からの参加も増えている。ひとりの学生の思いから始まったYOSAKOIソーラン祭りは、今ではすっかり初夏の札幌の風物詩として、さらには札幌の3大経済効果イベントとして定着している。

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カニが大きい! カニ汁!!
高知のよさこい祭りと北海道のソーラン節をミックスしたYOSAKOIソーラン。祭りのルールはふたつ。「鳴子」を持っていること、そして演舞に使う曲に「ソーラン節」のフレーズを入れること。このふたつのルールが守られていれば、踊りも曲も自由。演舞の振り付けや曲のアレンジ、着飾った衣装やメークはもちろん地方車(じかたしゃ)の装飾、マイクパフォーマンスなど、チームごとの演出はさまざま。この「自由さ」が、よくも悪くも、「伝統」という言葉になじみの薄い北海道の地にぴったりなのかもしれない。
そんな熱いYOSAKOIソーラン節を楽しみながら、寒カロウガ暑カロウガ、どうして北海道人がビールを飲まずにいられようか??