【乗り物あれこれ】山梨で堪能する”未来”と”お楽しみ”な列車

夢が広がる日本の次世代の新幹線といえば、やはりリニア中央新幹線だろう。

わが家も"百聞は一見に如かず"ということで、先日 山梨県立リニア見学センターに試験走行を見学しに行ってきた。
リニアの見学というとなにやら簡単に見れるものではないイメージだったのだが、試験走行の日に合わせて行けば誰でも自由に見学できる。しかもJR中央線大月駅から富士急行線に乗り換え禾生駅から徒歩30分程度。都内からのアクセスもそう悪くない。……が、やはり車で中央高速の大月I.Cから向かうのがスムーズだが。

当日、午前10時から始まったリニア試験走行。展望室からガラス越しの見学だが、それでも目の前を通過する時速500km超えの未来の新幹線の速さには思わず歓声を上げてしまう。朝も早くから集まった老若男女100人足らず、思わず拍手の盛り上がりだった。


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と、すっかり未来の新幹線に夢中になってしまったが現状はまだまだ2027年の一部開通を目指して試験走行の段階。もちろん一般の乗車はまだできない。ということは"乗り物ネタ"にするにはまだ少し早い。前置きがかなり長くなってしまったが、今回はこのリニア実験線の下を走る富士急行線の話。

世界遺産に認定された富士山の麓を走るこの富士急行線は、大月駅〜河口湖駅の全18駅を約1時間で走る単線。新宿から1時間ちょっとの距離とはは思えないくらい、自然豊かで空気もよく、なにより雄大な富士山を眺めながら鉄道の旅ができるという贅沢な路線なのだ。1時間に2〜4本の運行、基本的には地元の交通手段として普通電車が走行しているのだが、富士急行線には大人も子供も楽しめる特別な列車がいくつかあるのだ。

わが家はこの路線の大月駅〜富士山駅を途中下車も楽しみつつ往復。お目当てだった2種類の車両を堪能してきた。

まずは事前予約してあった「富士登山電車」。
この電車は「赤富士」と「青富士」という2両編成の観光用列車で、普通乗車券とは別に着席券を購入して乗車する快速列車だ。平日ということもあり車内はわりと空いていて当日でも着席券は買えたようだったが、観光シーズンはやはり事前予約がおすすめ。


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まず外観。このレトロ感漂う"さび朱色"の車両、これは開業当時の車両の色を再現しているらしい。外観のデザインもおしゃれだが、木や布など自然素材を使った車内はとても贅沢なつくり。よく見ると「赤富士」は濃茶色の木、「青富士」は白木を使っている。「日本一ゆたかな登山電車」というキャッチコピーにも納得の内装だ。富士山側を向いた展望シート、ゆったり座れるソファー席。ライブラリーやショーケース。さらに、足下が数段高くなっている"富士見窓"と窓の高さに合わせたベビーサークルで小さな子供たちも富士山を堪能できるというわけだ。

と、鉄道に詳しい方ならすでにうすうす気づいているかもしれないが。そう、この車両はあの有名デザイナー水戸岡鋭治さんのデザイン。わかりやすく説明すると、少し前に話題になった九州の豪華寝台列車「ななつ星」のデザインをしたのもこの人だ。なんだかそれだけでもちょっと豪華な列車の旅な気分になる。

そして富士登山電車のもうひとつの楽しみはアテンダントが同乗しているということ。車内からの景色の説明はもちろんだが富士急行線の旅のオススメ情報も聞ける事があるので声をかけてみてほしい。うちの鉄道好きな息子(3歳)は乗車中かなり可愛がってもらっていたので、いい思い出ができたのではないだろうか。

続いて復路で乗ったのは普通電車と同じ様に誰でも乗車することができる「トーマスランド号」。言わなくてもわかるだろうが、子供に大人気の車両だ。


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2両編成の車両はまず外観の賑やかさに驚く。虹色の外観には"きかんしゃトーマスと仲間たち"がずらっと描かれているのだ。そしてヘッドマークは富士山ときかんしゃトーマスという貴重なコラボとなっている。

そして車内。普通電車だと思って待っていたら戸惑ってしまうくらい(ちょっと落ち着かないくらい)完全にトーマスの世界になっている。
アニメに登場するキャラクターの顔の形をしたシート"トーマスチェア"と"パーシーチェア" はもちろん子供に人気なのだが、なにより人気なのは運転席のすぐ後ろに配置されている"キッズ運転席"だ。実際の乗務員さんと同じ帽子をかぶり、本物さながらの運転ごっこができる。キッズ運転席から見える景色はもちろん運転席と一緒。どうやらスピードメーターも実際のスピードを表示しているのだ。このシートは先頭と最後尾の2カ所のみ、小学生以下の子供だけが座れる席となっているのであしからず。
そして見落としがちなロールカーテンも、もちろんきかんしゃトーマスと仲間たちのプリントになっているので、ぜひ忘れずにチェックしてほしい。


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と、わが家が実際に乗ったふたつの車両を紹介したのだが、富士急行線にはもうひとつ人気の「フジサン特急」という車両がある。正面はもちろん、両脇の外観にもユーモラスなフジサンのイラストが描いてあるので、走行している車両に出会っただけでも思わず笑顔になってしまう。

こちらは運転席の上部に展望席があり人気があるため、乗車券の他に特急券や着席整理券が別に必要だったりで少し難しい。乗るときは問い合わせと事前予約がおすすめ。運行開始10周年を迎えたとのこと、ぜひ次回は乗ってみたい。

これで富士急行線の人気の特別車両を紹介したのだが、普通電車にも富士山のモチーフはあちこちに取り入れられているので探してほしい。
そして、富士急行線のゆったりとした時間をさらに引き立てたいならこんな途中下車も。富士急ハイランド駅で途中下車すれば近くに最大時速172kmのコースターもある。これもまたレールを走行する乗り物。鉄道の旅のスパイスになるかも?

余談だが、その土地の美味しいものを食すのも鉄道の旅の楽しみのひとつ。ここではやはり富士吉田市の名物『吉田うどん』をおすすめする。かなり歯ごたえのあるこしのある麺と醤油と味噌を合わせた汁が特徴。約60件あるお店によって個性があるので食べ歩きもおすすめだ。