「ゴアは最高だからぜひ行ってごらん!」
インドに来て知り合ったインド人に、「どこが国内旅行のお勧めか」を尋ねると誰もがこう答える。
一年中気温が30度というゴアは、寒い冬のデリー(寒いんです)を抜け出してビーチパーティーに明け暮れる、富裕層のたまり場だ。特にXmasシーズンはチャペルが多いのでロマンチック度が増すが、その分で物価もどーんと上がる。
さて、ではどんなところか確かめてやろうとゴア行きを決行、デリーから2時間半ほどのフライトでゴアへ到着した。
そこはアラビア海のお膝元、ゴア。
若い人が多い賑やかなビーチよりも静かな落ち着いた海辺がいい。昔はヒッピーのたまり場だったゴアも最近では落ち着きを取り戻している。
歴史を紐解くと、人口1400万人のゴアは140年余りポルトガル領土だった。なので、高齢者には今でもポルトガル語を流暢に話す人もいる。元の宗主国の影響でヨーロッパ的な雰囲気が残り、欧米人の観光客がとても多い。彼らは自国を脱出して、強い太陽を求めてひたすら甲羅干しをしに来ているのだ。
かつての宗主国、ポルトガルと見まごう白亜の豪邸同じインド国内かと我が目を疑いたくなる西洋風の建物。そして眩しい太陽の下をサンダルで砂浜を歩いてはみたものの、サンダル履きは意外と前に進んでいかないので、裸足で砂浜を散策する。目の前には真っ青なアラビア海。なんて壮大なロケーションだろうとため息すら出る。
サンセットを見ながら夕食をしよう!と意気込み、特に魚介類がおいしいとされているレストランをガイドブックで調べて行ってみた。インドでは珍しく酒税のかからないゴアでしゃきっと冷えたビールで夫と乾杯。お酒は御法度の州と違い、ゴアは最高だ! ちなみにデリーの酒税は20%である。
一般的にインド人の夕食は午後9時頃から始まる。私たちは60年代にヒッピーたちがたくさん訪れたという「カラングートビーチ」にやって来た。現在はさすがにヒッピーの姿はなく、国内のインド人ツーリストが圧倒的に多いビーチとなっている。
少し早いが7時にレストランイチオシのロブスターやサラダにフライドポテトを注文した。あまりの美味しさにインドの多様性に再び驚く。そういえば、ゴアのカレーは魚介類がふんだんで甘いので有名だったのを思い出した。
ゴアのオススメはアラビア海の魚介類。美味しそうです、ロブスター食事も進むにつれて今まで泳いでいたインドのファミリーたちが波打ち際のテーブルで食事を始める。キャンドルライトだけで、いつまでも飽きることなく過ごす人々。海の心地よい風に身を任せながら私たちもロマンチックな気分で時を忘れて座っていた。