大阪生まれの大阪人でさえ、「近すぎてのぼったことがない」という人もいる通天閣だが、私は海外や観光で大阪に来る友人を必ず通天閣に連れて行く。「そんなベタなとこ……」という声も聞こえてきそうだが、のぼった人はみんな満足し笑顔!な大阪名所「通天閣」なのだ。
通天閣のてっぺんにあるネオンは、色の組み合わせで明日の天気を知らせてくれる。
展望料金は大人600円。気張らない通天閣の一味違う魅力を堪能してもらいたい
現在の通天閣は1912年に完成した初代通天閣に代わり2代目(1956年に誕生)となり、高さは約100メートル。高さ約333メートルの東京タワーや、634メートルの東京スカイツリーと比べると「なんか、しょぼい」などと思ってしまったそこのあなた。このコンパクトさや、ほっこりできる安心感が「私たちの身近な通天閣」であり続ける理由だ。
ドリカムの曲「大阪LOVER」で、吉田美和が「トウキョウタワーだってあなたと見るツーテンカクにはかなわへんよ」と歌ったことで通天閣が急にいじらしく思え、大阪の代表建造物のひとつとして誇らしげに感じたのは私だけだろうか。
スマートボールや将棋をさすおっちゃんたち、立ち飲み居酒屋に串かつストリート。どこか懐かしく昭和を思い出させてくれる新世界にそびえたつ。昼時の新世界の活気や繁華街の賑わいなどによって、どことなく寂しそうに見えたり嬉しそうに見えたりと様々な顔をもつ通天閣。
2代目ビリケンさんはもうすぐ引退し3代目が登場!
(写真は2代目)
今年は新世界・通天閣100周年ということもあり、展望台の内装が黄金にリニューアルした。東京スカイツリーに負けてはならない、これぞ大阪!といわんばかりのド派手仕様である。「おもしろさとインパクトでは負けない」というだけあって並々ならぬ気合が感じられるが、おもしろければなんでもありなところが大阪らしくていいではないか。
展望台にある幸運の神像ビリケンさんの足の裏を触れば幸せになると言われているが、ビリケンさんと写真を撮るときにスタッフから掛けられる「これ、めっちゃええやん?」というコテコテな掛け声に、つい笑顔になってしまうのも大阪ならでは。景色を見に来るよりもビリケンさんの福を授かりに来たという人も少なくないが、景色もなかなかのものである。タワーからみる天王寺動物園の動物たちを見るにも丁度いい高さ!なのだ。他のタワーに比べ高さでは負けていても通天閣はおもしろくあたたかい。心に残るタワーとしては上位にあがるのではないだろうか。