【No Train,No Life】夏のオススメは土合に筒石? 涼しげな駅への旅

8月となりました。暑い日が続きます。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
ちまたでは夏休みということで、さまざまなレジャーをお楽しみかと思います。こと鉄道ですと、二年前の今ごろにも書いたポケモンスタンプラリー』がJR東日本の首都圏で今夏も絶賛開催中のほか、旧コーナーである“ウンチク”の昔からお休みならではの電車の乗り方をご紹介してきた……って、なにがあったっけ? ……なるほど、『長距離電車の乗り方』と『大都市近郊での一筆書きの旅』ね。よろしかったらこちらもご覧になって、お休みのご参考までに。あ、各地にある鉄道系の博物館もおもしろいですよ。こちらもぜひ。

さて、そんな今回は一風変わった、そして涼しげなのではないかと思われる鉄道スポット、まあ駅なんですが、二つを仕入れたのでご案内。
たまたま別の仕事で鉄道トンネルのことを軽く調べており、世の中には変わったトンネルがあるもんだと思っていたところ、旧知の編集者氏が「変わったトンネルに駅といえば……」と教えてくれたのがその二駅。そしてその駅というのは、

・JR上越線土合駅
・JR北陸本線筒石駅

である。
ホンモノの鉄っちゃんであれば、“トンネル”という前フリと駅名を見ただけでなんのことだかわかるというこの物件。同じ変わった特徴を持つこの二駅、いったいどんな駅なのかというと……
まず駅舎をご覧いただきたい。
上が土合駅で、下が筒石駅である。

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上越線土合駅
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北陸本線筒石駅
土合駅はまあ地方にある立派な駅舎と言えると思うのだが、問題は筒石駅である。これ、プレハブじゃん(笑)。そしてこの駅舎のどこに線路があるの……?

と、これが答え。この二つの駅はホームが地下、山を掘ったトンネル内にあるのだ。
筒石駅は上下線のホームがこの駅舎から下がること40m、頸城トンネルの中にある。エレベーター、エスカレーターの類はなく、300段弱の階段を上り下りしてホームなり地上なりに向かうのである。

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これって駅の風景? 筒石駅のホームに向かう階段。若干怖い(笑)
土合駅はもっと特徴がある。高崎方面へ向かう上りホームは駅舎同様に地上にあるのだが、越後湯沢方面となる下りホームだけ、新清水トンネル内の地下ホームになっている。その深さはなんと70mで、こちらもエレベーター、エスカレーターの姿はなく、486段の階段(途中に連絡通路あり)が地上とホームの間に待ちかまえている。所要時間は10分ほどで、下り列車の発車時刻の10分前には改札を通過できなくなる措置が執られていたこともあるほどだ(有人駅時代。現在は無人駅)。

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土合駅トンネル内ホーム。どこか幻想的である
このような山岳トンネル内にホームがある駅は、ほかにもJR上越線湯桧曽駅(土合駅の隣り。同じく新清水トンネル内)、北越急行ほくほく線美佐島駅、野岩鉄道会津鬼怒川線湯西川温泉駅がある。ではなぜ編集者氏が土合駅、筒石駅を挙げたのかというと、土合駅は改札からホームまでがもっとも深いからだそう。そして筒石駅は……、
「来年春の北陸新幹線開業に伴い、並行する在来線は第三セクターに移管することが決まっているんですね。筒石駅もそのひとつで、来春からは『えちごトキめき鉄道』の駅となります。ということは、JRが発行している『青春18きっぷ』などでは来春以降はもう来られなくなってしまうんですね。地方路線であり、そして筒石のような特徴ある駅こそ、『青春18きっぷ』で巡るのがいいんですっ。だからこそ、今年の夏はぜひともJRの筒石駅へ、みなさん足を運んでほしいものですっ」

なるほど(笑)。
お盆休みの予定がまだのみなさん、筒石駅もまた一興、ではないですかね。それでは鉄道で、いいお休みを。