たしか一年ほど前に「沼と湖の違いは?」「カッパがいるかどうか」というCMがあった。
立川談志は落語のなかで「気持ちいいのが湖、気持ち悪いのが沼」と言っている。
じゃあ実際のところ、沼と湖はどう区別されているのだろうか。
よりによって沼沢湖(福島県大沼郡)。
もちろん沼ではなく湖
答えは……なんと日本はおろか世界的に見ても、沼と湖を明確に区別する基準、法律はない。これは池においても同様である。ウンチクなのに驚きの答えなし(笑)。というわけなので、日本にてなんとか沼と湖、池を区別しようとした例をご紹介する。これも話のタネにはなります、ハイ。
明治9年に旧内務省が議定した『地所名称区別細目』によると、天然の広くて深いものが湖、浅くて泥を湛えたものが沼、人工的に作られたものが池とされている。淡水生態学者である上野益三は、人工で貯水量の管理ができるものを池としている。現行法である河川法では、日本各地の湖沼は「河川」として名称、存在範囲などが規定されており、また、陸水学における湖沼学上では、水深が浅く水底中央部にも沈水植物の生育する水域が沼、こう定義されている。
日本を含む世界規模で、水深と広さをベースに考えるのが一般的のようだが、オーストラリア最大の湖であるエーア湖などは、乾期に干上がってしまうことがあっても湖。うーむ、どこまでいってもやっぱり気持ちが悪いのが沼……だけじゃなく、湖だってとても気持ち悪い話、なのであった。