先週の土曜日に行なわれた京都競馬にて、1143万7290円の配当が飛び出した。100円買っていただけで1000万円を超える大穴だが、これは中央競馬では5番目の高配当。過去1番は1800万円を超えるものである。
中央競馬に限らず、日本で行なわれている競艇、地方競馬、競輪、オートレースの各種公営競技。これらの競技での配当はどのように算出されるのだろうか。以前から「大穴が出ると主催者が損をする」と思われている向きもあるが、それははたして正しいのか否か。
答えは否。日本の各種公営競技の配当とは、「各種勝ち式の総売上から一定額を引き、その全額が配当原資となる」。つまり、配当金額は配当原資と的中者数(=的中金額)から算出されるので、大穴だろうが本命だろうが主催者が損をすることなどは原則ない。ないどころか、主催者側の収入は先に確保がされるのである。
ちなみに宝くじの控除率は約55%。
ギャンブルとくくったら勝つ見込みはとても薄い
簡単な算出例を見てみよう。
たとえば競馬にて1着当てる単勝式が、ひとつのレースで総額1000万円売れたとする。そこから主催者がレースの賞金や利益、さらに国庫などに納めるお金に充当される(約)25%を控除した、750万円が配当原資となる。そこでAという馬の単勝が100円しか売れていなかったら、その単勝配当は750万円。Bは100万円売れていたとしたら750円(7.5倍)となる。配当金が750万円を超えることはないため、このレースで単勝1000万円などという配当はありえない。ただし、仮に全員が的中したとしたら、総売上1000万円に対して配当原資が750万円しなかいことなってしまうが、このような場合は配当100円(1.0倍。元返し)は最低補償される。ほぼありえない状況なのだが、このように控除率以上の配当金があるケースは主催者が損をすることも。また、的中金額が0の場合、購入金額100円に対し70円が返還される(特払いという)。
この方式は「パリミュチュエル方式」と言い、日本の公営競技(ロトなど選択系の宝くじ、サッカーくじなども同様)はすべてこれを使用している(※上記“特払い”に関しては、いわゆる「キャリーオーバー」など繰り越しで規定されているものもある)。
パリミュチュエル方式に対するのは、いわゆる「ブックメーカー方式」。こちらは競技の主催者などとは別に、“賭け屋”が独自に森羅万象を賭けの対象にし、配当を設定して販売する。『サッカーW杯、日本の優勝=500倍』や『今年中に宇宙人の捕獲が公表される=1000倍』などとするわけで、これは売上とは関係なく設定されたものだから、結果によっては賭け屋が大損をする場合もあるわけだ。
なお、日本の公営競技の控除率は25%が基本だが、競技によっては控除率を低くする還元レースがあったりもする。ほかにも中央競馬では100円元返しの場合は110円が最低補償となるなど、違いがあるので注意が必要だ。違いがないのは、世界レベルで見ると控除率の25%は高すぎる、バクチ打ちに優しくない、そういう事実である。
(注・単勝、3連単など、勝ち式によって控除率が異なる国がほとんどであるが、それらをならすとおおむね日本より控除率は低い)
故に勝てるわけがない……誰だ言い訳がましいと思っているのは。