昨日が小暑でもうすぐ大暑――夏至が最高に暑くならない理由

昨日7月7日は二十四節気の「小暑」。いちばん昼が長くなる(=日照時間が長くなる※北半球)“夏至”の次にやってくる小暑は、「梅雨明けも近づき、暑さが本格的になってくる時季」とされている。暑さはすでに本格的だが、梅雨明けはまだとされる首都圏。暦の上ではもうすぐ梅雨明けも迎えそうだ。ちなみに小暑の次は7月23日の“大暑”。こちらは「気温が上がり続け、暑さがもっとも厳しい時季」である。

さて、二十四節気について詳しくは以前の『二十四節気の謎』を参照いただくとして、今回はこの“○暑”と気温の関係についてのおはなし。

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熊谷市は39.8度を今年6月に記録。
理論的にはこれよりまだ暑くなります……
地球に熱をもたらすものとはなにか。それは「太陽」である。ではその太陽がいちばん長く顔を出しているのはいつか。それは「夏至」である。にもかかわらず気温がもっとも高くなるのは、すでに日が短くなりつつある小暑から大暑を過ぎ、立秋に向かうあたり、そのように暦の上でも実際でもなっている。
日が長いほうが暖かい、いやそれ以上に暑そうなものだが、これはいったいなぜなのだろうか。

その答えは単純ながら「気温=大気の温度はゆっくり上昇していくから」なのである。
私たちは直射日光を浴びてではなく、気温の高低により暑いとか寒いとかを感じている(直射熱だけで真夏日などとなった場合、気温の上昇分と合わせておそらく人類は滅亡する)。その気温を左右するいちばんの要因は太陽熱ではあるが、その熱エネルギーによって気温が温まるには時間がかかる。
例として、ヤカンに水を入れて火を掛けた場合、火が200度あっても沸騰点(≒100度)に一瞬にして達するわけではなく、温め続けてやっとお湯が沸く。それと同様に、夏至の近辺から多く放出されている太陽熱エネルギーが地表や水温を温め続けた結果、「これ以上の温度の上昇はもうできません」というエネルギー切れの地点=その年の最高気温に達するのが大暑から立秋の近辺、というわけである。

上記はとても簡単な説明であり、たとえば梅雨で雨が多いとか、水温が上がりすぎて雲が例年より発生したなどの自然要因も大きく関係する。つまり例年大きな狂いなく四季を迎えるというのは地球自身がバランスを取って調整をしている結果であり、異常気象とはそのバランスが崩れた状態と言える。それ故に、小暑の段階でここまで暑いのはちょっと心配なのは間違いない。