めっちゃクライマー気分!錫杖左方カンテ!!−7月はバリバリお山三昧−

7月27日栃尾温泉、民宿「むらかみ」前泊。奥飛騨のひなびた民宿だが、露店の天然温泉もあったりして、ご飯もまずまず。
ビールはちょびっとだけにしておく。だってさ「錫杖岳左方カンテ」ですぞ。何とも言えない響きじゃないか!いかにも本格的クライミングな。そして聞くだにすごそうなロングルート。アタシが行って、ほんとにいいの?
とかとか、前の晩からドキドキっす。

7月28日早朝4時起き、5時少し前出発。

datin130819_01.jpg 槍見温泉登山口からしばらく、クリヤ谷を行くと前衛壁が見えてくる。スゴイ。
歩き出して2時間30分ほどで取り付点へ。
うわーッ、ダイジョブかな?スゴそー!
が、が、がんばる〜!!!

datin130819_02.jpgdatin130819_03.jpg 3ピッチ目、数手上がった先だった。
見るからにムツカシそー。短いが危ういスラブのすぐ先がハングってる。深呼吸してとりかかる。
スタンスもホールドも斜めのごく薄いカチ。
慎重に…
次の瞬間、身体が上下に引っ張られた。私のロープと3rdのMさんのロープが絡まっている。しかもグルグルグルと数回、回転しているではないか。
出るときにちゃんとロープを確認して直しておく作業を怠ったのだ。「登りながら直せばいいや」が甘かった。初歩的なミス。
ただでさえ薄いスタンスに乗って、微妙にカチ持ちしているときに上下から引かれた日にゃあ、壁から剥がされそうになって怖いのなんの。もう、真っ青!
「篠原さん、テンション!!!」
思わず叫んでしまった。すると…

「コダマさん、ガンバ!!!」
ずっと壁の下からガンバコールが。
「だ、だ、だれッ?!」
なんと、コールの主はN.Aさん!
「さっさと早く登って!」
「はーい、頑張りまーすッ!」

思わぬところで思わぬ人のガンバコールをもらって勇気百倍!気を取り直し、3rdのロープを少し緩めてもらい、右一段下の棚に一旦降りてから、岩を回るように抱きかかえて数手上がり、左へルート改正して、どうにか事なきを得た。

datin130819_04.jpgdatin130819_05.jpgdatin130819_06.jpg datin130819_07.jpg トポにも確かA0としてあったし、篠原さんもスリングを残していったので、何の感慨もなくA0で上がった。後で行き違ったKさんチームはリードはもちろんセカンドの人もA0せずに登って行った。クライマーだ。 それを見て、最初からあきらめないで「A0せずに登ることを試してみればよかったな」とつくづく思った。
7P、8Pは寝ているが、そこそこ危ういスラビックな壁。スリルが楽しい。

  datin130819_08@.jpg datin130819_09@.jpg 最初の取り付から終了点まで登攀時間5時間。アプローチが2時間30分だから、かれこれ7時間30分。さすがに疲れてきた。
が、緊張はまだまだ続く。登ってきた8Pを今度は懸垂で降りなければならない。

datin130819_11.jpg 何度か懸垂の間に「ガンバコール」かけてくれたN.Aさんのご主人、T.Aさんとテラスで行き違い、N.Aさんにも巡り会え、なんだかこんな嬉しい岩登りもあるんだなと感激!緊張の疲れを忘れる時だ。「篠原さんテンション!!!」の声で最初に私と認識したのは実はA.Nさんでなく、ご主人のT.Aさんだったとか。

datin130819_10.jpg 全懸垂を終えると、今度は下山。1時間半の歩きがつらい。
アプローチ2時間30分、登攀5時間、懸垂1時間30分、下山1時間30分。全行程10時間30分の行動時間になった。
かなりタフな登りだったこともさることながら、予想外の出会いがあったりして、この度もまた、忘れ得ぬ山行になった。

「コダマさんも、こーゆーとこ、登れるようになったのね〜」
N.Aさんの一言が胸に沁みた。

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