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江口洋介＆蒼井優初共演、深川栄洋監督最新作として注目を集める『洋菓子店コアンドル』。悲しい過去を秘めた元・伝説のパティシエ十村（江口洋介）と、恋人を追って上京してきたケーキ屋の娘なつめ（蒼井優）。二人が出会った街角の洋菓子店には、美味しいケーキとたくさんの人生に溢れていた――この冬、幸せのひとくちに心が温まるビター＆スイートな感動作

2月11日の公開を前に、本作の試写会＆トークショーが都内で行なわれ、本作の深川栄洋監督と、自由が丘の人気パティスリー「モンサンクレール」ほか、10ブランドを展開する“スーパーパティシエ”辻口博啓氏が登場。
人気スイーツ情報サイト『SUPER SWEETS』（http://super-sweets.jp/）のユーザーであるスイーツブロガーたちを前に、スイーツを切り口としたトークが展開された。

MC：まずはご挨拶からどうぞ。
深川監督●なかなか日本ではケーキを題材にした映画というものがないのですが、僕はケーキが大好きなのでケーキの映画があったらいいなって思いました。
辻口●なんで僕が主役じゃなかったのかなって思うぐらい素晴らしい映画でした（場内爆笑）。
MC：本日はケーキ好きスイーツブロガーの皆様に集まっていただきました。さて、神楽坂にあるアグネスホテル東京の直営パティスリー「ル・コワンヴェール」の上霜考ニシェフが本作の製菓総合監修を務めていますが、同じパティシエとして辻口さんにはどのように映りましたか？
辻口●僕のところに依頼してほしかったなぁ（笑）。
深川監督●すみません……（恐縮）。
辻口●とても素晴らしいケーキだと思いました。劇中にも登場するマカロンは、美しくてショーケースが鮮やかになるけれど、グリーンの色彩は出すのが難しく、意外と少ない。同じパティシエとして、とても参考になりました。
MC：さて、映画についてですが……？

辻口●スイーツを題材にした映画は日本では珍しいと思うけど、このような作品を創ろうと思った理由はなんですか？
深川監督●ケーキって凄くきれいで奥深いものを感じる。僕の姉が元パティシエで、彼女が頑張っている姿をずっと見ていた。朝4時に起きて帰ってくるのが午後11時過ぎ、この凄くきらびやかで小さなものを創るのにどれだけの修行が必要なのか。そしてそれだけの思いが込められているから美味しい。そういうケーキの裏側にいる人たちのドラマを創りたいと思っていました。
辻口●姉弟合作みたいなところがありますね。
素晴らしいキャスティングですが、ポイントになったところはなんですか？
深川監督●職人の世界はこの映画に出てくる“なつめ”のような純粋な気持ちがないと残っていけない気がします。「人よりもラクして上手くやろうなんて考えでは出来ない」と。純粋さと出し惜しみをしないパワーが、なつめを演じる蒼井さんにはあります。
江口さんは僕の中ではケーキとまったく結びつかない人。しかし、職人の世界とはひとつのことに集中することであり、江口さんもひとつのことに集中するともの凄い、遊びでも本気で遊ぶ、パワーと集中力をもった人ですね。
辻口●蒼井さんは手先が器用で筋がいい、ぜひパティシエになってもらいたいくらいです。
ラストのシーンで十村が○○○（ネタバレ中！）微妙なシーンが○○○（ネタバレ中！）○○○（ネタバレ中！）どうなんですか？
深川監督●そうですね……僕も映画しか出来ない人間なんですけど○○○（ネタバレ中！）大切なものを○○○（ネタバレ中！）……。
（※ここ、なかなか深イイ話でしたが、ラストシーンなので……私はこのラスト好きです）

続編が出来そうですね。
深川監督●続きがあるとすれば、なつめの次の修行先の物語ですね。
辻口●なるほど、今度は途中でウチに寄ってもらいたいですね（笑）。
MC：それでは最後にひとことお願いします。
辻口●なにげない厨房に差し込む光のシーンなど、とても美しい映画です。自分自身の見習いだったころを思いださせてくれるシーンがいっぱいあり、パティシエの日常が良く描かれている。ケーキの素晴らしさ、大変さを感じとってもらいたいですね。
深川監督●頑張るっていうことを最近恥ずかしいとか、カッコ悪いとか思う方もいらっしゃるかも知れませんが、がんばっている姿を応援したくなる、ケーキを通してがんばるって事を表現したことをこの映画から感じとっていただければ……。

トーク終了後、劇中でなつめがコアンドルで働きだすきっかけとなったケーキ『ルナール』の試食会が、試写会に参加されたスイーツブロガーたちによって行なわれた（上の写真のケーキ）。
この映画には食べたくなってしまうケーキがたくさん登場しますが、映画に登場するスイーツ15品のレシピ本（公式レシピ本はこちらから）がなんと発売されています。バレンタインに最適なチョコレートを使ったスイーツも……ああ、映画も本もおいしそう（笑）。
どうか大切な人と甘い気持ちで、ご覧あれ。