映画『LIGHT UP NIPPON 〜日本を照らした、奇跡の花火〜』 楽曲を提供した坂本龍一と発起人の高田佳岳が登場。 坂本「高田くんは、黒澤明の様な素質を持っている人間」

LIGHT UP NIPPON01.jpgドキュメンタリー映画『LIGHT UP NIPPON』が、7月7日(土)から全国ロードショー公開中。本作は、8月11日(土)に東北太平洋沿岸で開催される同時打ち上げ花火大会<LIGHT UP NIPPON2012>の成功に向けて製作された作品。その作品のトークショーが、7月9日(月)都内、新宿バルト9にて行なわれ、本作に楽曲を提供した坂本龍一と『LIGHT UP NIPPON』発起人の高田佳岳が登場。復興についての現状と未来について語った。

LIGHT UP NIPPON10.jpgMC:LIGHT UP NIPPON ですが、今年で二年目を迎えいかがですか?
高田:昨年とはずいぶんと雰囲気が変わって、あまり東北のニュースも見ることもなくなり、現地の人たちは一所懸命頑張って仕事を起こしたり、建物を建てたりしていますが、意識は薄れてきていて、風化してきている感じがします。協賛金や募金の集まりも悪くなってきています。
MC:坂本さんがプロジェクトに賛同した理由は……?
坂本:発想がユニークだったということだね。いまだによくわからない人だけど(笑)、高田くんはどうやってそれを思いついたの?それを聞きたいな。
高田:そうですね、頭にパッと浮かびましたね。昔、大学院生の時に大槌町に住んでいて、お祭りにつれていってもらった事があって、地元の人がそのお祭りに出るために半年間かけて準備をしていた。必死に踊りなどの練習をしているんです。その祭りの最後に花火が上がるんですけど、その花火が見れなくなるなんて……というところでパッと重なりました。
坂本:地元の人にとっては、お祭りとか花火大会というのはビッグイベントなんだね。普通に考えたら花火大会ってそんなに重要に思えないけど、どこに住んでるかによって感覚が違うんでしょうね。東北の人のことを高田くんが良く知っているってこともあるでしょうね。都会に住んでいる人には花火大会ってちょっとしたイベントで、そのために半年も準備してとかはしないし、東北の人にとっての花火というものを理解してもらえるといいのかもしれない。
MC:坂本さんから見て高田さんというのはどういった方ですか?
坂本:高田くんがユニークというところですかね。彼は勤め人なんですけど、仕事を何カ月もほったらかして、ほとんど会社に行ってない。上司はなんて言っているの? 社会的には昨年のことがずいぶんと評価されていますけど……。
高田:よくやったなと言ってもらってます。
坂本:いい会社ですね……。

LIGHT UP NIPPON03.jpgMC:花火に感して特別な思い入れはありますか?
坂本:たまたま飛行機から見た花火が綺麗でしたね。すいぶん前に機内誌で読んですけど、花火を製造する会社の社長さんの記事が載っていて、グランドキャニオンから花火を打ち上げ、それを上空から見たいというものでした。とても素晴らしい夢だと思いました。
MC:今回は劇場公開の他にDVD販売やレンタル、オンライン配信が同時に始まっているという、映画としては通常ありえない取り組みですが、こういった形の復興支援についてはどう感じていますか?
坂本:音楽ビジネスが衰退しているように、今までのやり方では先がない。どんどんと慣習を破った試みをしていくことは当然なことじゃないですか。
高田:映画になるとは思ってなかったです。その映画の収益が花火になる。普段の生活の中で映画を楽しみながら、それが寄付になるとか、一歩前進するとか、小さなことを積み上げていくことが大きな力になっていけばいいなと思っています。

LIGHT UP NIPPON09.jpgMC:お二人が考える、これからの日本にとって大事なことは?
高田:よくそんなに頑張れるねって言われますけど、自分自身は頑張っているつもりはなくて、楽しいからやっているし、好きだからやっている。自分が信じていることだからやっていけると思ってます。そういう小さなことでも、たくさんの人に連鎖していくと、日本中が前向きに明るくなるんじゃないなって、生意気ですけどそう思っています。
坂本:国の形というのは、その国の人間で決まるので、面白い人間がいるかどうかですね。日本から、スティーブ・ジョブズのような人が出てくるのはいつになるかわりませんけど、過去には黒澤明という人もいました。僕の勝手な持論ですけど、黒澤明一人と、ソニー一社と比較した時、たぶん黒澤明のほうが国際的には価値がある。高田くんはそういう素質を持っている。ユニークな発想を実行できる若い人なので、そういう人間がたくさん出てくることが素晴らしいことだと思います。

LIGHT UP NIPPON05.jpg★全ては、2012年8月11日(土)の東北太平洋沿岸同時打ち上げ花火大会の為に今、映画が被災地の力になれる事を!!
■あなたの映画鑑賞料金が、復興支援の花火に変わるオンライン上映!
<鑑賞プラン>
募金額によって打上げる花火の大きさが変わる計4種のプランをご用意。鑑賞料金の一部収益及び、全ての花火代金はLIGHT UP NIPPON に募金。東日本大震災の復興支援に使用されます。
鑑賞プラン1 映画鑑賞のみプラン 上映料金:1200円
鑑賞プラン2 3号玉(直径100m)プラン 上映料金:4200円 (3号玉3000円+鑑賞料金1200円)
鑑賞プラン3 5号玉(直径150m)プラン 上映料金:1万1200円(5号玉1万円+鑑賞料金1200円)
鑑賞プラン4 10号玉(直径280m)プラン 上映料金:5万120
0円(10号玉5万円+鑑賞料金1200円)
※実際に打上げられる花火の数や号数は、集まった協賛金・募金、または会場の環境に応じて、全体で調整させて頂きます
※実際の花火の価格は、その内容によって異なります。上記記載の価格は、花火師の方の協力で本プロジェクトのために設定した参考価格となります。
~映画「LIGHT UP NIPPON 日本を照らした奇跡の花火」のオンライン上映での鑑賞概要~
オンライン上に設置した専用ページ<KINEZO CINEMA>にて、VOD による視聴を可能にしております。1200 円の鑑賞料金で、24時間何度でも視聴する事が可能。
■公開期間/7月7日(土)〜7月20日(金)まで
■料金形態/1200円の上映料金で24時間何度でも視聴が可能
■鑑賞形態/PC、スマートフォン、タブレット端末での視聴が可能
■U R L/premiere.kinezo.jp/lun
映画鑑賞料金が、被災地で打上る花火に変わるという、初めての取り組みです!
東北復興支援プロジェクト「LIGHT UP NIPPON 2012」

LIGHT UP NIPPON06.jpg<映画「LIGHT UP NIPPON 日本を照らした奇跡の花火」とは>
ある一人の会社員が「震災で中止になった東京湾花火大会の花火って、どうなるんだろう?」と疑問を抱いたことで始まったこのプロジェクトは、“東北を、日本を、花火で、元気に”をスローガンに、昨年8月11日、地元の人々の協力のもと、東北の太平洋沿岸10ヵ所で一斉に花火を打上げました。本作は、初めて被災地入りした日から、様々な困難を被災地の方々とともに乗り越え、花火大会が成功するまでを追いかけた900時間にも及ぶ映像をまとめたドキュメンタリー作品。本作の収益は、今年も8月11日に、昨年よりも規模を拡大して、実施される花火の運営費に充てられます。

<花火大会「LIGHT UP NIPPON 2012」概要>
■開 催 日 程:2012年8月11日(土)19:00 一斉打ち上げ
■開催 予定地:岩手県 山田町 大槌町 釜石町 大船渡市
宮城県 気仙沼市 石巻市雄勝 多賀城市
福島県 相馬市 南相馬市 会津美里町 広野町 いわき市

『LIGHT UP NIPPON 〜日本を照らした、奇跡の花火〜』
7月7日(土)〜7月20日(金)、新宿バルト9他にて全国ロードショー
【DVD】
7月7日(土)〜7月20日(金)
写真集付き特別DVD(予定)上映劇場窓口限定にて販売。(一部除く)
7月7日(土)よりTSUTAYA、TSUTAYA DISCASてDVDレンタル開始(予定)

LIGHT UP NIPPON07.jpg監督:柿本ケンサク  
プロデューサー:湯川篤毅  
撮影:AKKI   
ナレーション:黒木瞳 
テーマ曲:「赤とんぼ」by Ryuichi Sakamoto  
音楽:坂本龍一 / コトリンゴ(commmons)
製作:LIGHT UP NIPPON  
共作:(財)国際交流基金  
制作:ロックンロール・ジャパン
配給:ティ・ジョイ
公式HP:http://lightupnippon.jp
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