2010年に始まった『ikkieの音楽総研』ですが、今回でなんと100回目を迎えました! 読者の皆様とあそびすと編集部に感謝しつつ、200回、300回と続けていけるよう、これからも頑張ります! 書きたいことはまだまだあるからね。さて、記念すべき100回目に紹介するのは、オジー・オズボーンバンドでの活動などで知られるギタリスト、ジェイク・E・リー。ジェイクは俺にとって、誰よりも特別なアーティスト。音楽総研読者の方には、「ikkieといえばBON JOVI」が定着していると思うんですが、誰が一番かといえばやっぱりジェイク。実は一回目の時もどっちにしようか悩んだんだよね。その後も節目の度に登場させようとしたんだけど、安易に登場させたくないとも思ってここまで引っ張りました。オジーの時もサラッと触れる程度で我慢……。50回目を過ぎた辺りで、100回目はジェイク! と決めてからは、それがモチベーションになってたかも。ジェイク、ありがとう(笑)。それにしても、100回って我ながら結構な数字だ。自分へのご褒美に、ジェイクのことは数回に渡って書いちゃおう(笑)。ジェイク祭り開催決定! しばらくお付き合いくださいね。
ジェイクは飛行機事故で亡くなったランディ・ローズの後任として、83年にオジーのバンドに加入。クラシックに影響を受けたランディの構築美溢れるプレイを継承しつつ、ジェイク・フェイクと呼ばれるトリッキーなプレイでジェイクらしさもアピール、一躍トップギタリストになりました。俺は中学生のころに初めてジェイクのプレイを聴いたんだけど、オジーの特異な歌声に衝撃を受けつつも、スピーディーかつスリリングなリズムギターと、エモーショナルで激しいギターソロに一発でやられちゃったんだよね。甘いマスクとワイルドで華麗なパフォーマンスもカッコ良くて……ジェイクは俺にとって、理想のギタリスト像そのものでした。ライヴビデオ を手に入れてからは大袈裟じゃなく半年ぐらい毎日観ていて、ビデオ代を半分出してくれた姉も呆れてたっけ。
『Bark At The Moon』
このPVで初めてジェイクのことを知りました。
ちなみに、ジェイクが考えていたギターソロをオジーが気に入らなかったらしく、このテイクになったそう。
ジェイクいわく、まったく中身のない、どうでもいいソロ、だって……カッコいいけどなあ
ジェイクのギターは、ソロよりもリフやバッキング(伴奏)に重点が置かれていて、リフ重視だった俺には魅力的だった。ギタリストには、ソロは凄いけどバッキングはいたって普通、といったタイプも少なくないんだけど、インストゥルメンタルでメロディだけを弾くギタリストならともかく、歌が入った曲ならギターが弾くのはほとんどがバッキングなわけで、どっちが重要なのかは誰にでもわかるよね。まあ、ソロのほうが自分らしさを出しやすいって人は多いだろうし、そっちに意識が行っちゃうのもわからなくもないけど……。ただ、リフやバッキングはソロと違って曲の良さに直結するわけで、それがつまらないと曲もつまらないってことになりかねない。ジェイクが編み出すリフは印象的だったし、バッキングは歌が無かったとしても充分に聴き応えがあるぐらいのプレイで、当時、あのエディ・ヴァン・ヘイレンと双璧をなすほどのレベルだったと思う。ジェイクは少年時代にかなり本格的にクラシックピアノをやっていたらしく(エディも)、その辺が他のギタリスト達と一線を画していた大きな要因じゃないかと予想しています。ジェイクのプレイって“音楽的”なんだよね。ただのロックギタリストじゃない。”音楽”を良くわかっている人のプレイだった。ロック的な荒々しさもありつつ、知的ですらあったと思う。それでいてパフォーマンスは物凄くワイルド……カッコいいでしょ?
『Rock’ N’ Roll Rebel』
これぞジェイク! というプレイが満載。オブリガートのパターンの豊富さも特筆したい。
ジェイクは日本人とのハーフなので、一番とか神風とか書いたバンダナを巻いて(巻かされて?)ます……。
That’s 80’sですね
もちろん、ギターソロだって凄かった。オジーバンドを辞めてからはアドリブっぽいプレイも目立つようになったけど、オジー時代の、きちんと構成が練られたメロディアスでドラマティックなプレイには夢中になったよ。ジェイクはきちんとし過ぎてて好きじゃない、なんて人もいたけど、俺はそこが良いと思ってました。派手なアドリブで速弾きを連発するギターヒーローよりも、ソロをあたかもひとつの曲かのように聴かせるジェイクのほうが断然俺好み。でも、あんまりコピーしなかったんだよね。よくアレンジされていた分、手グセで済ませてるようなフレーズが少なくて、弾きづらいわ、覚えにくいわで。聴くだけなら印象的で覚えやすいぐらいなのに、弾いてみると大違い! なので、俺はある程度コピーしてそれに気付いてからはコピーするのを諦めちゃいました。弾けなかったんだもの(笑)! まあ、それでも誰よりも聴いたし、影響は大いに受けてます。ステージパフォーマンスは思いっきり真似してたし……若気の至りですよ! 今はそんなに似てない……はず。
さて、そんな素晴らしいプレイで俺を魅了したジェイクだけど、たった二枚のアルバムを残しただけでオジーのバンドをクビになってしまいます。それ以降のキャリアは決して順風満帆とはいえず……次回はそのあたりのことをご紹介。オジーのことを嫌いになる人もいるかもね。
『Shot In The Dark』
「暗闇にドッキリ!」というとんでもない邦題が付いていました。
このPV好きだったなあ。ジェイクのパフォーマンスの華麗なことといったら!
※ikkieがなんと「出張ギター教室」を始めてしまいました!
とにかくここから アクセス! 動画もあるよん。
http://dokodemoguitar.com/