vsアメリカ人!? “ライブ中ビール”の想い出

ライブを観に行くに際して「これは如何なものか」と思われることがいくつかあって、そのひとつがいわゆるクラブで入場時に買わされるドリンク・チケット。
若いころには「音楽聴きながら酒が呑める、酒が呑める、酒が呑めるぞー」と心躍ったものだけれど、最近は呑みながら見ると眠くなるので(おい)それほど心は躍らないのだ。さらにこのときに供される飲料が往々にして「いささか質の低い」ものであることもその「如何か」と思う理由のひとつなんですね。

入場したあと混み合うカウンターに並んで数少ない選択肢の中からやむなく選ぶにも、「なんかさぁ、今こういう酒は呑みたくないのよね」という気持ちが先に立ってどうにも腑に落ちない。「それならいっそ呑むのはよしにするか」というとそうはしない(できない)のが酒飲みの業で、ブツブツ言いながらもカウンター前の列に付くのである。
せめてもう少し品揃えをよくするとか、カウンターを拡大して長大な列ができないようにするとか、なんとかやりようがあるような気もするのだが、これに際する聴衆の主眼は「呑み」ではなく「ステージ上」にあって、またおそらくはあのドリンクも半ば収益目的の「おまけ」のようなものなので、双方とも改善の必要性はそれほど強く求めないのであろうと思うのだった。ま、悪いいい方だけどようするに「足元」を見られてるわけですね。あきらめるしかないのだ。

そんなことを考えて思い出したのが去年ZEPPTOKYOで近年大好きなバンドであるWILCOのステージを上手後方一段上がったところに陣取って観たときのことで、目の前に立った二人連れのアメリカ人(たぶん)が延々と安ビールを呑み続けてその量が尋常でないことにたいそう驚いたのだった。
すごいですよ。大ぶりのプラスティックのカップをぐいぐいと空けながら踊り続け、なくなると交替で買いに(2杯目以降は有料)出る。彼らが立っていたのが会場の外にあるバー近くに位置するドアの前だったのもきっとそれ(ビールの調達)が目的だったのに違いないのである。数えていたわけではないけれど、比較的長かった(2時間半以上)演奏の間に一人あたり十数杯は確実に呑んでいたと思う。そんなことをしたら僕ならたぶん酔っぱらって寝込んでしまうに違いない量。おそるべし欧米人の肝機能、舌を巻いたというお話でした。
こちらはというと演奏を堪能したあと新橋へ出て、やきとん「ふくちゃん」で同行の友人とホッピー三昧。観てきたステージのことで盛り上がったのは言うまでもありません。もう「観ながら寝る」ことはないので行くところまで行けるのだった。
ところでこれはそれにさかのぼること数カ月前。恵比須にあるリキッドルームというクラブでDerek Trucks Bandのライブを観たときにはやはりアメリカ人と思われる観客が酔いつぶれてぶっ倒れてました。なかにはそういう人もいるんですね。こちらは安心する「ちょっといい話」(どこが)。

d20111206pic.jpgというわけで今回の「簡単レシピ」はビールに合うおつまみ2種。そろそろビールも冷蔵庫に入れなくてすむ季節になってきました。冷えすぎたビールは苦手なので最高気温が20度を切るようになったら「ビールは常温」が我が家の定法です。
そういえばヨーロッパではビールはあまり冷やさないものなんですって。たしかにエールのようなものは冷えすぎると香りがわからなくなっちゃいますね。あまり最高気温が上がらないのと、湿度が低いので日陰に置いておけばほどよい温度に保てるからでしょうか。現在売られているビールの大半(ラガー)が「冷蔵庫で冷やす」ことを前提に作られている、なんて話もありますが……。その筋に詳しい方の教えを乞う。

【Panjaめも】
●文中に出てくる最近お気に入りのDerek Trucks Band。
ギターのDerek Trucks さんと奥さんがメインのTedeschi Trucks Band。
こちらは新春に来日決定です。

●こちらはWILCO。新譜「Whole Love 」絶賛発売中。いいっす!

●大好きなビールBoddington Pub Ale
なかなか売ってないんですよ。どこか売ってるお店ないですかねぇ。