7月31日 福岡県北九州市 ボートレース若松
連載2回目で取り上げたボートレース若松にまた1週間、出張した。泊まりはもちろん黒崎。今年は実に約30日間も黒崎に滞在したことになる。
黒崎滞在となれば、メシは言うまでもなくエビス屋食堂。こちらは40〜50回は通った計算になる。こうなればさすがにもう顔馴染で、夜中に入口のドアを開けると「あら、おかえりなさい」と迎えられ、さらに指定席となったカウンターの角の席を空けてくれる。出張最終日となった8月5日には「今度はいつ来るの? 元気でね」などと挨拶に来られて感涙。東京に戻った現在でも、仕事中にふと「エビス屋行きたい……」と呟いていたりする。我ながら恐ろしい。
森喜春記者が絶賛する
若松場内「花まる艇」の焼き飯今回の出張は、「GI女子王座決定戦」の取材であった。女子レーサーの頂点を決める一戦。我が『BOATBoy』には、森喜春という女子レース専属のライターがおり、森も1週間、若松にへばりついていた。その森が言うのである。「『花まる艇』の焼き飯は最高っすよ!」。週に3度はチャーハンを食うという、無類のチャーハン好きである森が、若松の場内食堂で供される焼き飯を絶賛した。な、な、何だとーっ!
焼き飯といえば、エビス屋食堂の看板メニューである。森よ、お前はエビス屋の焼き飯食ったことあるんか、おいっ! そういうオッサンこそ花まる艇で焼き飯食ったんすかっ、えーっ! と、若松焼き飯論争が勃発した次第なのであった。
で、花まる艇の焼き飯、食してみた。なるほど、美味い。ただ、エビス屋に比べると、あっさり風味だ。油感が弱いというか。とはいえ、これはこれで美味。エビス屋焼き飯を試した森とは、あっさり好きは花まる艇、ガッツリ好きはエビス屋、ということで平和的決着を見た次第である。それにしても、九州では「焼き飯」というメニューはごく普通のようだ。チャーハンではなく、焼き飯。うまく説明できないが、間違いなく両者は別物。あえて言えば、焼き飯は醤油の風味が強い和風炒め飯、という感じか。
8月20日 群馬県桐生市 ボートレース桐生
関東地区にボートレース場は5場。そのなかで、唯一の“出張”となるのが、群馬県にあるボートレース桐生だ。自宅からは約3時間の道程で、時間的なことを言えば、静岡県のボートレース浜名湖や愛知県のボートレース蒲郡のほうが近い。同じ関東地区にあるのに、心理的にはやけに遠く感じるレース場だ。西のほうから遠征してくる選手は、まさに「はるばる来たぜ」という気分になるらしい。
その桐生の名物といえば、なんといってもソースかつ丼である。丼飯の上に千切りキャベツを敷き、ソースに浸したヒレカツを乗っける。なんともシンプルな一品だが、これが美味い。おそらくソースにも秘密があるのだろう、甘めの味付けが舌に心地よく、ややべとついた口中に爽やかさを吹き込むキャベツが巧みなハーモニーを醸し出している。ボートレース桐生のフードコートにある「新井食堂」で出されるソースかつ丼は絶品で、行列もできるほどである。
桐生名物「荒井食堂」のソースカツ丼
昼夜問わずに行列しています
こちらは記者席でいただいた志多美屋のソースカツ丼。
群馬でソースカツ丼の発祥とされているお店のお弁当ソースかつ丼といえば、群馬県と福井県で「発祥地論争」があることでも有名である。福井県にあるヨーロッパ軒という洋食屋が始めたという説と桐生の「志多美屋」が元祖だという説があって、地元の方にはそれぞれ意地とプライドがあるようだ。福井県にあるボートレース三国でも、絶品のソースかつ丼が食せる。ま、長野県出身東京在住の私にはどっちでもいいことで、桐生のソースかつ丼も三国のソースかつ丼も、ひたすら美味し!なのである。
※次回は10月5日に公開です。8月若松・GI女子王座決定戦、そして桐生・SGモーターボート記念出張の模様は、9月11日発売の『BOATBoy』にて! 9月25日開幕の徳山・GI新鋭王座決定戦の現地取材の模様は『ボートレース特集』、こちらもよろしく!!